トランプは「話し方の天才」、凄すぎる3大秘訣 「熱狂を生み、人を駆り立てる」理由は、これです

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多くの人が、相手の理解度を過大評価しがちです。相手が3しかわかっていないのに、8わかっているだろうと仮定し、その前提で専門用語などを駆使し、「賢そうに」話してしまうのです。
その点、トランプはまるで、相手が1しかわかっていないかの如く、話します

【2】どこまでも会話調で「相手とつながる言葉」を使う

そのボキャブラリーは、非常に乏しく、分析によると、オバマ前大統領の語彙力が9年生(14-15歳)なのに対し、トランプは4年生(9-10歳)レベルと歴代大統領の中でも最も低いという結果でした。

つまり、高い教育を受けたエリートなら絶対に恥ずかしくて使えない語彙を連発するのです。

「great」「tremendous」「bad」などの言葉は、先生に「たくさん使ってはいけません」と教わる言葉で、エリートの耳には、トランプの話し方は「俺って、歴史上、一番すっげー大統領なんだぜ」「めちゃくちゃイケてるだろ~」「あいつは最低だ!」としか聞こえません。

臆面もない自画自賛、度を超えた相手への誹謗中傷は、人として、許される範囲を超え、日本では決して受け入れられないでしょう。

しかし、一方の民主党側のレトリックはエリート臭が漂い、「上から目線」なところがある。

その点、トランプのわかりやすさは圧倒的です。キャッチコピー力も天才的で、「Make America again、Sleepy Joe(寝ぼけたジョー・バイデン)」など、シンプルで、覚えやすく強い言葉を次々と紡ぎ出します。

どこまでも会話調。だからTwitterを多用

そして、彼の言葉はどこまでも会話調で、聴衆はまるで「対話」をしているような気分になります。

語り口はカジュアルで、きっちりとした文章に落とし込まれていないので、書き起こすと意味をなしません。彼が「書き言葉」ではなく「話し言葉」として伝わるTwitterを多用するのもこの理由です。

ソクラテスは、「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と説きました。「伝える言葉」ではなく、「つながる言葉」を使う。これは、コミュニケーションの王道ルールなのです。

次ページ最後「3つめの秘訣」は?
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