GoToイートでも救われない外食チェーンの不満 支援策は脱・大手予約サイトに逆行している
外食チェーンにとってさらに厳しいのは、Go To イートだけでなく、足元の事業継続に必要な支援策も実態に沿ったものになっていない点だ。いずれの支援策も個人店舗を想定して制度設計されているからだ。
売り上げが落ち込んだ外食事業者に対して、政府は店舗の家賃補助などの支援を行っている。だが、その支給額の上限は展開する店舗数にかかわらず、上限600万円。複数店舗を展開する外食チェーンからすると雀の涙の支援策でしかなく、「1店舗分の家賃すら払えない」(都内の外食チェーン経営者)という。
外食チェーンは支援策の盲点に
串カツ田中ホールディングスの貫啓二社長は、「労働集約型である外食事業では、大手チェーンだろうと個人事業主だろうと、店舗にかかる費用はほぼ同じ」と指摘する。そのうえで「店舗ごとの支援でなければ意味がない。コロナ禍による債務超過の懸念は個人経営店より外食チェーンのほうにある」と話す。
外食チェーンはいわば政策の盲点となっている。ワンダーテーブルの秋元社長などが陳情に動き、2020年5月末に麻生太郎財務相を発起人代表とする「多店舗展開型飲食店議員連盟」が自民党内に発足した。10月に行われた第3回総会では、外食チェーンの経営者から窮状と支援制度の不備を訴える声があがった。
議連の事務局長である薗浦健太郎衆議院議員は、「雇用のボリュームや経済へのインパクトを考えると、外食チェーンにこそ支援が必要だ。需要を喚起するGo To イートの方向性自体は間違っていないが、外食チェーンからすれば今の支援だけでは全然足りない」と強調する。
外食事業者の間ではコロナ禍の打撃は今なお続いている。Go To イートも含めて、外食事業者の実態に合った、きめ細かい支援策が求められる。
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