白人至上主義「カレンとケビン」の恐るべき実態 トランプを熱烈に愛する"厄介な支持者たち"

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「カレン」の名前の由来に関しては諸説あるが、特定の個人ではなく、他人の迷惑を顧みない、わがままな白人女性に対しての蔑称のようだ。2005年にアメリカの人気コメディアンのデーン・クック氏が、性格が悪く、嫌われている女性の代名詞として「カレン」という言葉を使ったのが由来ではないかと言われているが、実際のところは定かではない。

1950年代から1960年代にかけては女の子が生まれると「カレン」という名前をつけるのが流行しており、トップ10に入るほどの人気だったが、2018年の時点では635位にまでランクダウンしている。

「カレン」が女性の俗称なら、その男性版も存在していて「Kevin(ケヴィン)」と呼ばれている。

レストランでアジア人を見かけるとわざわざ近づいてきて「武漢に帰れ!」と罵り、店を追い出された「ケヴィン」や、アジア人女性に「chink(チンパンジー)」と言いながら唾を吐きかけて、のちに逮捕されたカナダのカルガリーの「ケヴィン」。

また、レストランで友人と誕生日を祝っているアジア人に対し、国へ帰れと卑劣な言葉を吐いた「ケヴィン」は、動画がアップされると人物特定されてしまい、名前と社名が晒された。有名IT企業のCEOだったのだが、その座を降ろされてしまうという事件となってしまった。

「karensgoingwilds」の中では多数の「ケヴィン」も見ることができたが、現在では、削除されているようだ。

大統領選挙後も予断を許さない

「トランプ大統領はもし選挙に負けたとしても、負けと認めないような環境を作り出すため、外堀を埋める作業を行っています。僅差で勝負がついた場合のみならず、圧倒的多数でバイデンが勝利を収めたとしても、郵便投票の不正を理由に連邦最高裁判所に訴える可能性をすでに公言しています。

先月、リベラル派のギンズバーグ判事の死去によって空席になったポストを保守派の判事にしようとしたことがいちばんの理由です。トランプ氏のそんな行動によって武装集団、支持者同士の争いにまで発展する危険は十分予想されます。どちらが勝っても円滑に進むことはないというのが大方の意見です」(現地ジャーナリスト)

今回の選挙戦では人種間の分断がより一層進み、もう後戻りできないところまで来てしまった。FBI長官も9月の時点で白人至上主義者らに対して警戒を強めていると明らかにした。投票結果が出て勝者が明らかになったとき、「カレン」と「ケヴィン」、白人至上主義の過激なグループがどういった過激な行動に出るのか、しばらくは予断を許さない状況が続くのは間違いないだろう。

草薙 厚子 ジャーナリスト・ノンフィクション作家

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くさなぎ あつこ / Atsuko Kusanagi

元法務省東京少年鑑別所法務教官。日本発達障害支援システム学会員。地方局アナウンサーを経て、通信社ブルームバーグL.P.に入社。テレビ部門でアンカー、ファイナンシャル・ニュース・デスクを務める。その後、フリーランスとして独立。現在は、社会問題、事件、ライフスタイル、介護問題、医療等の幅広いジャンルの記事を執筆。そのほか、講演活動やテレビ番組のコメンテーターとしても幅広く活躍中。著書に『少年A 矯正2500日全記録』『子どもが壊れる家』(ともに文藝春秋)、『本当は怖い不妊治療』(SB新書)などがある。

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