「小金持ちと大富豪の差」は出すゴミでわかる訳 ゴミ清掃員芸人「真の金持ちほどゴミが少ない」

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金持ちも手軽さを求めるんだと共感する一方、考え方によってはお金で時間を買っていると感じさせる。僕なんかはやはり、節約するために手間を掛けてしまう。夏には節約のために手作り経口補水液を作って持っていくあたり、もはや変態の域に達している。

ただ、ここの地域の残念なところは、食品ロスも少なくない。賞味期限が切れそうな備蓄用のレトルトカレーが一気に出されたり、多少しなびたかなーという程度の丸ごとキャベツ、大根、ニンジン、変わり種だと大量のウェハース(もらったのか?)などが出できたりする。

あと、ここによく出てくるのは、剪定(せんてい)された葉や雑草だ。庭があるのだ。地味なことだが、都内の、しかも高級住宅街で庭付きなのがどれだけすごいか。都会から離れた地域の人はあまり理解できないかもしれない。

しかし、売れない芸人から見ると、その収入は天文学的数字。ただ、これが梅の金持ちではなく、最高峰の高級住宅地の松だと、そこまで剪定された葉が出てこない。おそらく業者が刈り、そのまま引き取っているからだろう。梅のお金持ちの方は、業者に頼みつつも排出は自分でするか、もしくは時間に余裕があるのか自分で雑草を抜いているのかもしれない。少し親しみが湧く。金持ちになったから万々歳という訳ではなく、庭を維持するために労力を必要とする。

ほかにも、回転板に挟まれて、大量の旅行の写真が飛び出してきたことがあった。終活で処分しているのだろうか、大量の夕日の写真だった。人が映っておらず、プライバシーに関する物ではないが、いろいろなところを旅行したのだろうと想像させる夕日だった。人生の中でその人がどのように楽しんで生きてきたのか、スライドで見ているようだった。うちなんて家族そろって旅行なんてそうそう行けない。これだけ旅行に行けるとは、まあそういうことだ。

「ランク竹」の高級住宅地

続いて竹の高級住宅地。ここでは目を凝らすと、生活ゴミの中に見慣れない美容液が出てくる。松や梅もそこそこ出てくるが、高級美容液はランク竹の高級住宅地から出てくることが多い気がする。

僕は男性なので、美容系の物にあまり詳しくないが、CMやドラッグストアで見かける有名なものではないことくらいは判断できる。お金持ちの使うものに興味があったので、一度だけ、出てきた美容液を調べたことがある。商品名は伏せるが、アンチエイジングシリーズと記されており、価格は3万9800円だった。腰が抜けそうになった。え? こんな7、8センチ程度の大きさの物が3万9800円!?と声が漏れた。

もうひとつ言えることは、今はもう当たり前になっているウォーターサーバーだ。水を入れるでっかいペットボトルみたいなやつが金持ち地域で出始めた頃、こりゃ一体なんだげと思った。今ではウォーターサーバーのペットボトル自体を見なくなったが、当時は宇宙人でも見るような目で観察したものだ。

アンテナが立っているお金持ちに商品が浸透して、値段が落ち着いた後に、一般家庭に降りてくるパターンが世の中にはありそうだ。企業の動きが見えて世の中が面白くなってくる。そんなこと、みじんも考えないで生きてきたのでこういう点で考えてもゴミ清掃めっちゃ楽しい。

見識が広がる、ちゅーもんだね。ただ竹の高級住宅地も、一般住宅地と変わらないなぁとガッカリすることも事実としてある。中にはクレーマーがいるのだ。

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