「小金持ちと大富豪の差」は出すゴミでわかる訳 ゴミ清掃員芸人「真の金持ちほどゴミが少ない」

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さて、今回の本題。高級住宅地にもランクがあるという話だ。

高級住宅とひとくくりに言っても上中下がある。ゴミを見てランク分けしたのだが、これが不思議なことに、ネットで土地の相場を調べてもきっちりそのランクにあてはまるから面白い。高級住宅地とその他の住宅地と分けて考えるのはあまりにも雑なので、高級住宅地の中でもランクによって特徴を抽出する。なお、六本木ヒルズ的なところは、担当していないので含まれていない。

ちなみにゴミの話ではないが、全金持ち地域に共通して、正月は玄関に飾るしめ縄率が高い。一般家庭でも見られるが、比べ物にならない。高級住宅地の全家庭と言えるくらい、しめ縄を飾っている。これは信心深いというより、しめ縄を飾る楽しみに気の回る余裕があることを意味する。

あと意外なのは、太った人をあまり見ない。汚い格好をしている人はいるにはいるが、SNS等で見かける「私は成功者だ」と言っている小太りな金持ちは、ここにはいない。きっと僕の回っているところは、生粋の金持ちで、成り上がった人たちとはまたタイプが違うのだろう。

「ランク梅」の高級住宅地

では、高級住宅地の「下」から話したい。高級住宅地の「下」というと、よくわからないパラドックスが生まれるので、うな重みたいに「梅」と名づけよう。誰が高級住宅地の「下」だよと怒られてはかなわない。

高級住宅地の梅は、一般庶民と変わらず、スーパーでも買い物をする。ゴミ袋も指定のものがなければ、スーパーの袋で出すこともしばしばある。その中にさらりと松坂屋の紙袋が入っているので、そうかここは高級住宅地なんだと再確認させられる。その松坂屋や高島屋の袋の中からビニール袋に入れられた生ゴミが出てくると不思議な気分になる。お金持ちもこうして生活しているんだなあ、と金持ちだけ異空間で生活している訳ではないことを示す。しかし毎回高島屋の紙袋でゴミを出すご家庭があるので、やはりここは高所得者のご自宅。

ただ、梅の高級住宅地は、一般庶民とそう遠くない生活をしている。先日、清掃車の回転板を回したときに、残したカレーが飛び出してきた。ふふふ、金持ちでも本当の一流にはまだまだ遠い金持ちだな、本当の金持ちはこんなゴミの捨て方をしない、と、まるで自分が最高峰高級住宅に住んでいるような勝ち誇った顔に、カレーがぶっ掛かったものだった。

この地域の住人が好んでいるものは、オーガニック食材宅配サービスだ。よく見る。いくらくらいかかるのだろうとネットで調べてみたところ、スーパーと併用すると月の食費が1、2万円高くなる程度だった。頑張ったら出せない額ではないが、毎月この出費が重なるとなかなかの痛手だと思える値段設定。梅金持ちは、何でもかんでも手当たり次第物を買うのではなく、このような出費が続いてもへっちゃらな体力がある。

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