ブロンコビリー「ウルグアイ牛肉」は成功したか 一時期は提供を休止したほどの売れ行きだった
コロナ以前に活況を示していた肉ブーム。緊急事態宣言や自粛営業の影響は受けたものの、消費者の「おいしいお肉を食べたい」という意欲は衰えることなく、脈々と息づいていたようだ。
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)」で1世帯の品目別支出金額(牛肉)を見ると、2020年1月は1704円。しかし外出控えの3月から1880円台にのり、緊急事態宣言下の5月は2268円まで上昇した。6月、7月はいったん落ち着いたものの、8月にはまた2113円と高い水準を取り戻している。
今回はそんな肉への尽きぬ意欲を支えるステーキ・ハンバーグ店として、ブロンコビリーを取材した。
同チェーンは出発点である名古屋に本社を置き、愛知と首都圏、関西圏などを中心に、128店舗を展開。炭焼き調理とサラダバーで特徴を表しているレストランチェーンだ。
また、産地との直接交渉で仕入れ先を開拓した、こだわりの素材を使っていることも、同社の強み。魚沼産コシヒカリを採用し、大きな釜で炊く「大かまどごはん」は、肉料理と並んでファンを引きつけている主役メニューだ。
一時提供を休止しなければならないほどの売れ行きに
さて同社では、2019年5月、ウルグアイ産牛肉が解禁後、いちはやくこれを採用。社としては初めて記者発表を行うなど、話題性によってステーキ店としての認知度向上を狙った。
その作戦は成功したのか否か。9月1日より展開したウルグアイフェアの感触とともに、ブロンコビリー取締役経営企画部長の古田光浩氏に聞いた。
「詳しい数字はとっていませんが、ランチも含めて、ステーキの出数構成比がそれまでより1割程度上がったという感触を得ています。これはウルグアイビーフに限らず、ほかのメニューも含めてということです。昨年は話題が盛り上がったこともあり、一時提供を休止しなければならないほどの売れ行きとなりました」(古田氏)
現在は年間を通じての定番メニューとなっている。ウルグアイビーフの魅力はたくさんあるが、なんといっても、いちばんのメリットはその安さ。
「数量が安定していて、放牧のため飼育にもコストがかからない。だから安いんです。またインド洋を50〜60日かけて船でチルド輸送してきますが、その間にエイジングが進みうま味が増します。空輸や冷凍での輸送を使うよりコストがおさえられ、そのうえ価値も増すわけです」(古田氏)
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