ブロンコビリー「ウルグアイ牛肉」は成功したか 一時期は提供を休止したほどの売れ行きだった
またテーブルの間隔を広くとり、背もたれの高いシートを採用するなど、ゆったりと過ごせるよう工夫されている。
「ファミリー層を中心に、ごちそうとしてのステーキやハンバーグを楽しく食べていただける」(古田氏)ことが、同チェーンのコンセプトだというが、まさにそのとおりになっているように感じられる。
また歴史のあるチェーンであり、サービスが一定しているという安心感も、人気の定着につながっているだろう。そのためか、コロナによる落ち込みからの立ち上がりも、ほかのチェーンに比較して早かったようだ。
同店では宣言下の5月中旬から6月にかけてはテイクアウトメニューを展開。冷めてもおいしさが変わらない大かまどごはんのおかげもあって、好調に売れたという。7月から9月にかけては、「夏のステーキ祭り」として、ステーキやコンビメニューを特別価格で提供した。
「ほかの焼肉や寿司の店も立ち上がりが早かったと聞きます。やはり休業や自粛で我慢していた外食マインドに、ちょっと値段が高めでおいしいものを提供する業態が、ちょうどマッチしたのではと分析しています」(古田氏)
郊外への出店が多いことがプラスでもあり弱みでもある
7月の同社既存店売上状況は、売り上げも客数も前年の9割程度まで戻っており、客単価は5%アップした。東京では自粛が続いていたものの、「仕事帰りに普段なら居酒屋に行くところ、2人などの少人数でふんぱつしてステーキを食べて行こうというようなビジネスパーソンもいましたね」(古田氏)
というように、ちょっと郊外への出店が多い同チェーンの特性がプラスに働いたようだ。
アルコール提供店は午後10時で閉店という自粛要請が引き続き行われていたため、9月はまた前年の8割程度と落ち込んでいるが、昼間はファミリーやカップル、ママ友のランチ需要などで安定しているそうだ。
こうした店が近くにあれば、と思う人は多いだろう。ロードサイドや、駅近くでもちょっと中心部から離れた立地での展開が多いのが、同チェーンの弱みである。とはいえ、働き方や余暇の過ごし方が大きく変わっていく今、長所へと変わる可能性は十分ある。
今は大きく手を広げるということが難しい時勢ではあるが、古田氏によれば、都市型を含めた新たな業態展開も今後は視野に入れていくという。今の店舗では拡大が難しい、テイクアウトへの注力も考えられる。いずれにせよ、商品力で勝負、ということになるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら