ブロンコビリー「ウルグアイ牛肉」は成功したか 一時期は提供を休止したほどの売れ行きだった

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次にオリジナルソースをかけ、今度は大かまどごはんとともに食べてみる。ごはんはしっかりと粒が立った、かための炊き加減。本来なら、肉の味やかみ応えとごはんは溶け合わないかもしれない。しかし米の存在感があるのに加え、醤油ベースのソースが仲立ちをしてくれているので、違和感なく食べられる。

肉好きで、アメリカ式のかみ応えのあるステーキに慣れている人には好みの味なのではないだろうか。フェアでなくても300g2500円程度と比較的安く、たっぷりとステーキが食べられるのは魅力だろう。

ただ、「硬い」と感じるお客も多いらしい。そういう人には、よりやわらかいヒレ肉をすすめるそうだ。

サラダバーの差別化ポイントは「自家製」へのこだわり

サラダバーの特徴についても述べておこう。サラダバーには年間を通してのメニューと季節メニューを用意。筆者が訪れた時点では、秋のメニューとしてかぼちゃや、珍しいところでケール、いちじくなどを用いたサラダが並んでいた。野菜ソムリエの資格をもつ従業員が考案しているのだという。このように、家庭ではなかなか食べない野菜がそろっているのは楽しく、また、顔ぶれがいつも違っているため、飽きずに頻繁に通うことができそうだ。

新鮮さと、旬の素材の品ぞろえ、ドレッシングへの保存料の無添加にこだわったサラダバー。サラダは野菜ソムリエの資格を持つ従業員による工夫が凝らされている(筆者撮影)

サラダバーにはデザートも含まれるほか、プラス価格でドリンクやジェラートもフリーで楽しむことができる。

デザートとして並ぶのは、コーヒーゼリーや季節の果物。もとが喫茶店からのスタートであるため、コーヒーゼリーにこだわりがあるのだという。とくに、マスカルポーネチーズを使ったホイップクリームにはファンが多く、冬限定のデザートであるティラミスなどに「追いマスカルポーネ」をして楽しまれているそうだ。

そして、同店のサラダバーの大きな差別化ポイントとなっているのが、自家製へのこだわり。サラダバーの野菜は店舗でカット。またドレッシングやジェラートは自社工場で生産し、店舗まで毎日チルド輸送を行っている。

ジェラートも自社工場でその日に作られたもの(筆者撮影)

「ドレッシングやジェラートは保存料を添加していないので、新鮮さが大切です。また、肉も、他社では部位ごとにカットされたものを仕入れるところもあるのですが、当社は塊で仕入れて、ステーキやハンバーグ、煮込み原料にする部位などと自社工場でカットし、店舗にチルド輸送を行っています。これにより、コストダウンにもつながります」(古田氏)

このように、びっくりするほど大きなステーキや、かまど炊きのごはん、季節がわりで楽しめるサラダバーなど、ハレの要素がブロンコビリーの大きな魅力となっているようだ。

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