大自然に触れた人の脳が驚くほど活性化する訳 ちっぽけな自分を感じ利他的に動きたくなる

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しかし、地球の未来にきちんと思いをはせられる人は、温暖化による地球の環境悪化を少しでも食い止めようと「温暖化しないような生活に改めよう、なんとか対策を練ろう」などと考えます。それは、単に「自粛」することだけを考えるのではなく、「温暖化防止」によって、逆にいままで以上に社会を活性化できないか、あらゆる創意工夫を凝らそうというところにまで思いをはせられるようになるといいます。

つまり、人はAwe体験をすることによって、いまの社会はもちろんのこと、未来の社会や人のために役立つことをしようと考えるようになるというわけです。

大自然の中でなくてもAwe体験はできる

さて、ここまでAwe体験がもたらすメリットを紹介してきましたが、なかにはAwe体験ができるような大自然に触れる機会をなかなか持てない、という方もいるかもしれません。

でもじつは、普段からでも、小さなAwe体験を積み重ねることはできます。
オランダ・アムステルダム大学のフォンエルク博士らは、大自然の広大さ・美しさが感じられる動画を見ることでも、軽微なAwe体験ができるとしています。

大自然の美しさ、広大さ、悠久さを少しでも感じられたら、それも一種のAwe体験です。このような動画を大画面にして見てもいいかもしれません。

ただ、このような軽微なAwe体験では、「時間の感覚を変えてしまうことはない」と、オランダ・アムステルダム大学の研究が明らかにしています。

『科学的に幸せになれる脳磨き 』(サンマーク出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

たとえば、強いAwe体験の特徴の1つとして時間の感覚の変容があります。世界がスローモーションのようにゆっくり動いているように見えたり、あるいは逆に、何かに集中しすぎて、ほんの一瞬だと思ったら、意外にも長い時間が過ぎていたりというようなことが起こるのだそうです。これは、Awe体験がフロー状態(ゾーン)を引き起こすからだと考えられています。

ちなみに、きれいな街のネオンや夜景などでは、このようなAwe体験は起こらないようで、何か人智を超える感覚で、脳はAwe体験を引き起こすようです。

大事なのはAwe体験をして、謙虚な気持ちになったり、世の中のため、人のためという利他の気持ちが強くなったりすること。豊かで幸せに生きるためには、そのように脳が活性化することが重要なのです。

岩崎 一郎 脳科学者、医学博士

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いわさき いちろう / Ichiro Iwasaki

京都大学卒。京都大学大学院修士課程修了後、米国・ウィスコンシン大学大学院で医学博士号(Ph.D.)取得。旧通産省の主任研究官、米国・ノースウェスタン大学医学部脳神経科学研究所の准教授を歴任。脳科学を活用し、普通の知性の人たちが天才知性を超えるパフォーマンスを発揮できる組織づくりの企業研修を提供する会社「国際コミュニケーション・トレーニング株式会社」を創業。著書に、『科学的に幸せになれる脳磨き』(サンマーク出版)、『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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