資生堂、銀座の「スゴい旗艦店」が担う重大使命 化粧品は合成技術でお試し、買い物かごも不要
パネルの前に立ち、「色校正プレート」と呼ばれるシートを持って、自分の顔写真を撮る。すると、「ファンデーションバー」というコーナーで30色のファンデーションの中から最適な3色が提示され、客が試すことができる。その時間は、わずか1分ほどだ――。
化粧品大手の資生堂は7月、東京・銀座に「SHISEIDO グローバル フラッグシップ ストア」をオープンした。主力ブランド「SHISEIDO」の初となる旗艦店で、最先端のデジタル技術を生かし、同ブランドの訴求を一層強化する役割を担う。ファンデーションバーは「色が多すぎて、どれが自分に合うかわからない」(20代女性)という化粧品選びの悩みに、デジタル技術で応えた例の1つだ。
グロスをパネル上の自分に試し塗り
サービスの要となるのが、入店時に手渡される「S CONNECT」と呼ばれる紅白2色のリストバンド。チップが内蔵されており、「ファンデーションバー」のようなデジタル体験の結果などが記録される。
「MAKE ME UP」というコーナーでは、リストバンドをかざして手元の枠に商品を載せると、パネルに価格や色、使い方などの情報が表示される。
気になった化粧品があれば、「シミュレーター機能」を使うことにより、合成技術でグロスなどを塗った自分の顔が、パネル上に映し出される。今まで化粧品を試すときは、肌に直接塗って色合いを確認したり、美容部員にメイクをしてもらう必要があった。一方、MAKE ME UPではパネルに映った姿を見るだけで済む。
購入を検討した商品は、パネルに表示された「カートに入れる」ボタンを押して確保し、最後にレジで欲しい商品だけを選べる。デジタル技術を生かすことで、実物を体感できる実店舗のよさを残しながらも、商品の入ったかごを持つ煩わしさが取り除かれているのだ。
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