手本はルイ・ヴィトン、松屋社長が描く百貨店像 「薄利多売」を再考、売り場改革は待ったなしに
集客の抑制などコロナ禍で制約が課されたからこその発見もあった。うさぎの人気キャラクター「ミッフィー」の原画などを展示する展覧会を7~8月に開催した際は、事前予約制で入場者数を従来の3分の1に絞らざるをえなかったが、グッズ販売での客単価は以前の展示会での実績と比べて1.5~2倍に上がった。その要因を秋田社長は次のように分析する。
消化仕入れにも利点あり
コロナ禍によって考え直すどころか、一足飛びに「改革待ったなし」となったのが衣料品売り場だ。テレワークが進み、スーツの需要が縮むなど、アパレル業界を取り巻く環境は一段と厳しくなっている。
「23区」などを運営するオンワードホールディングスや「ポールスチュアート」などを展開する三陽商会は、百貨店から多くの店舗を撤退させる方針を打ち出している。
百貨店業界では、「婦人服に3フロア、紳士服は1フロア」など、衣料品の売り場面積を大きく割く形が定番だが、アパレルメーカーの店舗撤退で売り場に穴が空くおそれもある。その点を秋田社長はどう考えるのだろうか。
百貨店の衣料品販売では、大量陳列・大量販売のために生まれた「消化仕入れ」という特殊な商慣習がある。
百貨店が商品を仕入れて顧客に販売する「買い取り」と違って、消化仕入れではアパレル企業が在庫リスクを負いながら販売員も用意して商品を売る。アパレル企業にとっては、百貨店の集客力を使って大量に販売できるメリットがあった。
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