民主党が目指す最高裁判事増員は簡単ではない

実は「第2次世界大戦前」にもあった重要な事実

やはりトランプ大統領は一般市民の心をつかむ天才だ。1990年代、絶体絶命のピンチをしのいだ逸話について、大半の日本人はまったく知らない(写真:AP/アフロ)

話は10月12日にさかのぼる。フロリダで、新型コロナウイルスから回復したとされるドナルド・トランプ大統領を応援するために集まった人々の熱狂の渦。トランプ大統領は、壇上に登場すると、集まった人々にマスクを投げ、「みんなにキスしたい」とまで言った。反トランプの人々の心理を逆なでするような言動の極致。これはまさに聴衆心理を知り尽くしたトランプ氏による「ザ・トランプモーメント」(これぞトランプの真骨頂)だった。

NYタイムズの「狙い」は空振りに終わった?

少し前のことになるが、ニューヨーク(NY)タイムズは最高裁が一般公開を差し止め、連邦裁レベルにとどめておくように命令したはずのトランプ氏の過去の納税記録をなぜか入手、記事として一般に公開した(ナンシー・ペロシ下院議長が要求した議会への選挙前の公開を最高裁は否決していた)。

その目的は、その時に日本の一般メディアが取り上げたような「トランプ大統領の脱税」を強調することではなかった。それでは何を言いたかったのか。1つはトランプ大統領が、400億円をこえる莫大な遺産を相続しながら、ビジネスマンとしてはほとんどの投資に失敗、何度もデフォルト(債務不履行)を繰り返し、投資家や銀行を裏切った、ということだ。

もう1つは、大統領になる前は、本業の不動産ではなく、NBCの人気バラエティー番組「The Apprentice」(大物実業家の右腕になりたい人達を競わせるショー)の契約料(450億円)だけが当時のトランプ氏の唯一の収入源だったことを明らかにすることだった。

つまるところ、NYタイムズの狙いは、トランプ大統領はビジネスマンとしての判断力は乏しく、唯一成功したのはプロレスのような演出で、一部の人々を熱狂させることだけ。それを選挙前に改めて浮き彫りにすることで、トランプに熱狂する人々を幻想から解放することだった。しかし、前出のコロナ後のフロリダの熱狂は、そんなリベラルの計算こそが、幻想であったことを改めて証明した。

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