深田恭子「年齢の概念を無力化する」3つのスキル かわいさを保つアイドル女優は多くを語らない
とりわけ「ルパンの娘」の第1シリーズは全話平均世帯視聴率7.2%。この結果だけなら間違いなく「失敗作」であり、第2シリーズの放送は考えられません。しかし、実は全話平均タイムシフト(録画)視聴率が8.2%を記録し、見逃し配信もフジテレビの記録を更新したほか、一時Twitterの世界トレンド2位にランクインするなど話題性はトップクラスでした。
これは「録画してじっくり見たい」「思わずつぶやいてしまうくらい好き」という視聴者の気持ちを表すデータであり、リアルタイムでドラマを見る視聴率より録画やネットでの視聴が多いのは愛情の表れ。深田さんの出演作は、他作以上に世帯視聴率だけではなく、録画や配信などの多面的な評価が必要なのです。
さらに、その「録画してじっくり見たい」「思わずつぶやいてしまうくらい好き」という気持ちは、出演作だけでなく、深田さん自身に向けられた愛情にほかなりません。たとえば、映画「ヤッターマン」のドロンジョや、CM「東京ガス」でラムちゃんを演じたときも、ネット上には愛情たっぷりのコメントがあふれていました。視聴率には表れない深田さんへの愛情があるから、それほど強烈なキャラクターを演じても批判的なコメントが少ないのです。
「アイドル女優」だから年を取らない
深田さんは30代後半になった今なお「アイドル女優」という見方をされることがありますが、これは主に「演技がうまくないことを揶揄する」という意味ではなく、「アイドルと同じような目線で見てしまう」という姿勢の表れでしょう。この「アイドル女優」として見られることが2つ目のポイントです。
たとえば、少年少女のころに好きだったアイドルへの愛情は40代・50代になっても色あせず、まるで年を取っていないかのように同じような視線を送り続けるファンは少なくありません。深田さんを見る人々の視線には、そんなアイドルファンと似たものがあるのです。
一方、ドラマの作り手たちは、アイドルのように深田さんを見る人々の視線を意識して、「神様、もう少しだけ」からずっと似た役でオファーを出し続け、深田さん自身は演技の幅を広げることよりも、その視線とオファーに応え続けることを選んできました。
いわゆる「演技派女優」というイメージの人は数えきれないほどいますが、深田さんのように長年にわたって「アイドル女優」というイメージの人はほとんどいません。日本では、とかく「演技力のある俳優だけが凄い」と言われがちですが、深田さんのように女優でありながらアイドル性を保ち続けることの価値は高いのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら