日本株の先行きで米大統領選より気になること アメリカの中期の株価見通しは上昇基調で不変
ざっと並べているだけでも、あまりのドタバタ騒ぎに頭痛がひどくなりそうだ。述べてきたような騒動は、経済に対する考え方によるものというよりも、大統領・議会選挙を意識して「相手の党が景気の足を引っ張っている」、という責任の押し付け合い、政治的な駆け引きの面が大きいようにも考えられる。
そうしたやりきれない思いをしているのは、市場参加者だけではないようだ。筆者は幸いなことに、アメリカの政治関連の複数の情報元に、いまだに見捨てられることなく、情報交換の形で直近の情勢を伝えてもらっている。
短期的には「経済対策期待」が高いが・・・
このコラムの読者の皆様は「『情報交換』と言ったところで、アメリカ側から有益な情報は提供できるだろうが、馬渕さんは相手に役に立つような情報を提供する能力はないだろう。『情報のやらずぶったくり』に違いない」と、筆者の乏しい実力を見抜いているに違いない。
そうした真実を突いた見解にはまったく反論できない。だが、それは置いておいて、ここ1~2週間の情報元から伝えられる内容も、二転三転、右往左往という感が強い。おそらく、アメリカの追加経済対策を含めた政治情勢そのものが、日々ドタバタしているのだろう。きっと、政権や共和党、民主党の当事者も、先行きがどうなるのかわからないのだと推察する。
当事者にとって情勢が不透明であれば、筆者を含めた「外野」がどうこう考えても仕方があるまい。追加経済対策の交渉が、予想より前進するかもしれないし、進まないかもしれない、わかるはずがない、とあきらめて、市場動向を展望するしかなさそうだ。
そもそも、追加経済対策があればアメリカの景気は大好況、なければ大不況、といったものではない。また、対策について合意が得られるとしても、実際に法律面で手当てが必要なもの(法律の制定、改正などが必要な対策)は、時間的には早くて大統領選後、遅いと来年1月後半以降の選挙の洗礼を受けた新議会で、ということになるだろう。とすれば、現実的に景気が支えられるのは、少し先のことだ。
それでも、ここ2週間ほどのアメリカなどの株価の動向をみていると、「追加経済対策がなさそうだ」という失望による株価の下げ幅よりも、「対策が近く打ち出されるかもしれない」、といった期待による株価の上げ幅の方が、大きめのように思われる。
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