しかし、新型は値上がりに見合うだけの性能強化が図られた。たとえばアクティブセーフティ技術である「Toyota Safety Sense」の認識性能を先代後期モデルから向上させ、夜間の歩行者や昼間の自転車にも対応させた。
さらに車線中央維持機能である「LTA」や、道路標識を認識してインパネ内に表示する「RSA」、後退時に後方左右から迫る車両などとの接触事故を抑制する「リヤクロストラフィックオートブレーキ」も標準で備える。
常に先進技術が投入されたハリアー
先進安全技術の積極的な搭載は、歴代のハリアーが大切にしてきたところだ。初代(1997年発売)では「HID(ディスチャージ)ヘッドライト」や「トラクションコントロール」を、2代目(2003年発売)では衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術群「Toyota Safety Sense」の前身である「プリクラッシュセーフティシステム」を採用。
3代目では(2013年)では当時のトヨタが持つ先進技術、たとえば車両前部に取り付けた光学式カメラの映像を利用して見通しの悪い丁字路などでの安全性を高める「左右確認サポート付パノラミックビューモニター」や、車線を逸脱しそうなことをドライバーに知らせる「レーンディパーチャーアラート」などを搭載していた。
新型となる4代目では、前述の通り、夜間対応型のToyota Safety Senseを全グレードで標準装備としつつ、前後方向の録画機能を搭載した「デジタルインナーミラー」を新たに用意する。
こうした先進安全技術のもつ本来の目的は、迫り来る危険をシステムが察知してドライバーに回避動作を取らせたり、危険な運転環境から遠ざけたりすることにあるが、最近では実際の事故低減効果としてもデータに表れている。
(公財)交通事故総合分析センター(ITARDA)の事故データを基にトヨタが独自算出したところ、Toyota Safety Sense P(新型が搭載するToyota Safety Senseの従来型システム)とICS(新型ハリアーに全車標準装備の「インテリジェントクリアランスソナー」)を同時に搭載した場合、非搭載車に対し追突事故は約9割減という結果が示された。
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