出張予約サイト「HRS」、日本上陸の衝撃 エクスペディアや楽天トラベルとどう違う?
「出張手配は旅行会社に任せることが多い。その際、航空会社と旅行会社の営業担当者間での調整(法人料金での手配)はできているが、宿泊については、旅行会社とホテルのコミュニケーションが取れていないケースも多く、高くなってしまうこともある。結果、コーポレート料金を適用するのに企業側から手配するケースも出ている。ワンステップで手配したい」
そうした状況の中、これまで旅行会社が得意としてきた海外出張の航空券手配においても、航空会社が旅行会社を通さず、企業と直接契約を結ぶケースが増えている。
その背景には、旅行会社が航空券を手配した場合に航空会社から旅行会社へ販売手数料を支払う制度が廃止され、航空会社のホームページで販売する「ゼロコミッション」という直販モデルがこの10年で確立されたことが挙げられる。
全日本空輸(ANA)では「ANA Pro Flyers Bonus」、日本航空(JAL)でも「JAL コーポレート フライトメリット」という名称で、直販スタイルの法人向け航空券に力を入れている。ANAの場合、5万円利用ごとに1000円分のクーポン、さらに企業全体でANA国際線および国内線を半年間で2000万円以上を購入すれば、ANA国際線が5%割引、5000万円以上の利用で10%割引といった特典を設けている。
ネット予約が確立された現在では、個人単位の海外出張であれば、航空会社の法人向けサイトから航空券を購入し、法人向けの宿泊予約サイトからホテルを予約することで、出張経費の削減が可能となる。そこに、HRSのような法人をターゲットとした宿泊予約サイトの存在意義が見えてくるかもしれない。
メリットの素早い訴求がカギ
すでに個人旅行においては、リアル店舗型の旅行会社から、航空会社やオンライン専門の旅行予約サイトへとシフトが進んでいる。今後は、海外出張で飛行機とホテルを手配する場合においても、オンラインにシフトしていくことだろう。実際、HRSは欧州を中心に全世界で4万社以上の法人と契約を結んでいる。
「お客様に対してどんなメリットが提供できるのか、類似のサービスがあまりない状況の中で、早い時点で企業などに提案することができれば、勝算があると思う」と三島社長は話す。海外出張におけるホテル手配の風雲児になれるか否かは、価格面でのメリットを企業に浸透させられるかにかかってくる。
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