終身雇用の終焉や、メンバーシップ型からジョブ型への転換といったニュースが相次ぎ、自身のキャリアに対する意識が高まり、豊富な人材育成を用意している企業への評価が高まっていることが想定される。
最後に、『社員の相互尊重』についてのクチコミだ。
「個人を尊重し、「お前はどうしたい」と聞いてもらえ、一方的にやることを押し付けることはあまりない。目標を達成していれば、自らやりたいことは聞いてもらえ背中を押してもらえる環境」(リクルート住まいカンパニー、営業、在籍5年以内)
コロナ禍でコミュニケーションが希薄化し、社員同士の信頼関係が築きにくい中、元からチームワークの強い文化のある会社の評価が高まったクチコミが散見された。
業績悪化でも評価を上げる会社も
いずれの項目に関するクチコミも、コロナ禍において変化した社員を取り巻く環境に大きく関係する内容だ。コロナ禍の変化にしなやかに対応できた企業や、もしくは従前から今の環境に適した企業づくりができていた企業が、社員からの評価をあげた企業だと読み解くことができた。
また、全日本空輸(ANA)や42位の日本航空(JAL)といった、事業そのものがコロナの影響を大きく受けている企業でも社員からの評価を上げている点は驚きであった。投稿されたクチコミを覗いてみると、コロナの影響による不安の声は散見される一方で、「コロナに入る前から取り組んできた働き方改革によって、ライフステージに合わせた働き方が選べるようになっている」という点が高く評価されており、e-NPSが高まっているようだ。
最後に今回のランキングと分析について補足をしておきたい。
今回のランキングは各企業におけるe-NPSの改善幅でランキングを算出したものである。そのため、コロナが流行する前より社員からの評価が高い企業は、ランクインしにくい傾向にある。
そこで2019年の総合評価点が3.5点以上と高い企業の中から、コロナ禍にe-NPSを維持・改善した企業の上位5社を抽出した。従前より社員から選ばれる企業づくりをしているのにもかかわらず、非常事態でさらに評価が高まったということは注目に値する。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら