(第37回)<知花くららさん・後編>学校は好きなことをみつけられる場所であって欲しい

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●フランス映画にどっぷり浸る

知花くらら 最近はずいぶん減りましたけど、大学生の頃は映画をたくさん観ていました。特にフランス映画が好きです。監督によって世界観が違いますが、みている人に選択させる、考える自由を与えてくれるのがフランス映画です。
 たとえば、このシーンはどうしてここに細切れで入るのか全然意味が分からないことがあります。そのシーンから得る情報や、それを通じてイメージするものは、全部見ている側に委ねられる。ハリウッド映画の場合はストーリーありきの映画作りで、それはそれで面白く、ダイナミックで、涙をここで!という意図もよくわかりますし、そういうものが観たい日もあります。でも、フランス映画には独特の世界観が流れ、面白いのです。
 高校生のとき、アメリカに留学したいと両親に伝えたところ、「大学生になってからでいいのではないか」と言われ留まり、実際大学生になってからアメリカではなくフランスに留学しました。映画からフランス語や文化により一層興味を抱きました。

●学校時代に得られる経験

 今はモノが溢れ、通信手段も増え、私たちの頃に比べて何でも容易に手に入ります。コミュニケーションの取り方も変わってきているし、親は戸惑いを感じるのかもしれません。
 私には高校2年生の弟がいます。弟にとって、学校という場が好きなことをみつけられる場所であって欲しいと思います。自分の興味はどこに向いているのだろうということは、一所懸命何かに没頭する経験からわかることだと思うのです。何をしたいのか、何に興味があるのか、何をすると気持ちがよいのか、何をして陶酔するのかなど、これらを知るための経験を1つでも多くして欲しいと思います。

●学校、大人のできること

 今は大学名で差別されるようなことはさほどなく、その授業の質がより重要です。一方で、自分がよい教育を受けさせてもらったという思いが強い分、できるなら、いい大学に入って勉強するのがよいという気持ちもあります。しかし、一所懸命ぶつかれるものがみつかることが大事です。それはもちろん勉強でもかまわない。たとえば、「日本史が好きだからとても頑張った!」。そうしたら将来は考古学をやってみたいとなるかもしれないし、何でもいいと思うのです。

 子どもって感性が豊かなので、興味をもっともっと伸ばしてあげられる環境を、学校や、授業のシステムや、先生が作っていくことが可能だと思うのです。公立だと難しいとか、授業数が足りないとか、カリキュラムの問題が……といった、いろいろな事情や状況があるのかもしれませんが。今は先生に求められる役割がすごく大きいと思うのです。学力を上げなければならないなど、いろいろなプレッシャーがあるのかもしれません。ですが、きっと子どもにとってみれば、「面白い先生」がいいと思うのです。たとえば、いろんなことを知っているとか、この先生は頼れるとか、この先生にならボーイフレンドのことを相談してもいいとか、少しでも心のどこかをオープンにできるような先生は、いつの時代でもすごく人気があると思います。私もそういう先生が大好きです。ぜひユニークな先生が増えて欲しいですね。

 私はまだ社会人2年生。いろんな経験をさせていただいたことを今後に生かしていきたいです。

取材:田畑則子 撮影:戸澤裕司 衣装協力:ラルフローレン、ヘア&メイク:Akiko Owada)
知花くらら<ちばな・くらら>
沖縄県那覇市出身。上智大学文学部教育学科卒業。
2006 ミス・ユニバース・ジャパンに選出され、同年7月にロサンゼルスで開催された2006 ミス・ユニバース世界大会で第2位に輝く。現在はビューティ・アイコンとして注目されるなかテレビやラジオ、雑誌および広告に出演。国内外に活躍の場を広げている。
知花くらら 公式ブログ&Website: www.chibanakurara.com
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