つい、「こうしたほうがいいよ」と、よかれと思ってアドバイスをすることはないでしょうか。とくに、似たような経験があったり、知っていることに対しては、つい話をしたくなるものです。さらに、相手のことをよく知っている親しい間柄だと、「きっとこうだろうな」という想定をもとに、助言したくなる気持ちも起こってきます。
でも、これは、聞いている側の勝手な思い込みや価値観が先行することが多いので、注意する必要があります。いくら親しくとも、相手と自分は違う人間です。同じような経験があっても、あくまでも「同じよう」なだけで、まったく違う別の経験なのです。
自分の言いたいことより「相手の気持ちを受け止める」
話を聞いているつもりが、実は、自分がしゃべっているということにもなりかねません。もちろん、場合によっては体験談を話すことで救われることもあるとは思います。しかし、基本は、相手の話を聞くことであって、指示したり、コントロールすることではないということを心に留めてほしいのです。「相手の気持ちを受け止める」ことは、自分の言いたい気持ちを抑えることでもあり、忍耐も必要です。
話を聞くことは、スキルではなくマインドが大切ですが、相手のためを思って、さらに傷つけてしまうことがないよう、この3つのことを心に留めていただければと思います。
最後に、私が信条としている言葉で締めくくりたいと思います。
「この世で、たった1人でも受け入れてくれる人がいれば、また頑張って生きていける」(カール・ロジャーズ)
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