テレビが遂に気づいた「視聴率より大切なこと」 「テレビ離れ」にお笑いと生放送で逆襲かける

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テレビ番組の生放送はツイッターをはじめとするSNSとの親和性が高く、トレンドランキングを席巻することも少なくありません。そんな「SNSにつぶやきながらテレビを見る」という視聴スタイルが最も促進されるのが生放送なのです。

また、「番組の熱心なファンであるほど録画してじっくり見るため、視聴率に反映されにくい」という課題を解消することも、生放送が増えている理由の1つ。「一部だけでもいいから生放送にすればリアルタイムで見てもらえるだろう」という狙いがあるのです。

リスク回避や完成度より大切なもの

これまではリスク回避や完成度などの観点から、ほとんどの番組が収録放送を選んでいましたが、「このままではまずい」という危機感が生放送の増加につながっているのでしょう。各局のテレビマンが、「リスクや完成度の前に、まず見てもらわなければ何もはじまらない」ことに気づいたのです。

これまで各局のテレビマンは、「ためになる情報が入った番組でなければ世帯視聴率が獲れない」という観点からお笑い番組を激減させ、「長めに収録したものを編集して、面白さを凝縮しなければ世帯視聴率は獲れない」という観点から生放送を避けてきました。

そうした状況で番組表の大半を占めるようになったのは、生活情報、クイズ、グルメがテーマのバラエティ。中高年層の好むこれらの番組がゴールデンタイムを覆い尽くしたことで、若年層の「テレビ離れ」が加速したという背景があるだけに、ここ数カ月間の変化は、ようやくその呪縛から解き放たれたことを感じさせます。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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