夕飯の品数に悩む主婦の気持ちが楽になる方法 ごはんを作るのがしんどい時にどう乗り切るか

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ちょっと待ってください。そもそも、その1食、もしくはその日1日で必要な栄養素をきっちり摂らなければいけない、と考えるのはあまりに無理というもの。例えばうちの場合、なんとなく最近のごはんを振り返って、「茶色いお肉系ばっかりだったな」と感じたら、「今日はちょっと野菜系のおかずを入れてみようかな」くらいのゆるさで考えています。

時には野菜料理のかわりにきゅうりを丸ごと1本添えて良しとする日もあります。トトロ好きの子どもたちは意外に大喜びしてくれます。これが、我が家の実情です。

その週は月曜日から連日大きな撮影が続き、朝から晩まで仕事でもプライベートでもキッチンで過ごす毎日。そんな金曜日の夕方のこと……。

仕事終わりに、塾に行く長男のお弁当を詰め、長女と一緒に翌日の食材の買い出し&次女の保育園のお迎えに。「今日はいつもの炒め物と具だくさんのスープでいいか」そう思いながら子ども2人を連れて大量の食材を抱えて帰宅。妻はまだ仕事で外出中。

いつも簡単に作れる料理が作れない

帰宅直後から始まる次女のエンドレス「あしょぼあしょぼ(遊ぼ遊ぼ)」攻撃。部屋中に散らかる子どものおもちゃやランドセル。後で保育園の着替えも洗濯してお風呂掃除もしなければ。やらなければいけない仕事もまだ残っているのに……。

そんな状況の中、いざ料理に取りかかろうと思ったその瞬間、僕はこう思ったのです。「土井先生、今日は一汁一菜も無理です……」。

いつもは簡単に思える「炒め物と具だくさんのスープ」。ところが、その日は野菜を洗う気持ちにもなれなかったのです。ご存じの方も多いと思いますが、尊敬する大先輩の料理研究家の土井善晴先生が著書『一汁一菜でよいという提案』で、世の中の献立に悩めるみなさんに大きな勇気を与えてくれました。

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