シルバーウィークの4連休は、新型コロナウイルスの感染拡大以来、初めてといってよいくらい各交通機関は混雑が続いた。
ニュースで映った羽田空港のチェックインカウンターの行列に驚いたほか、高速道路の渋滞も東京近郊の各高速道路で連日最長で50km前後の長さとなり、今年の春の大型連休やお盆を中心とした夏休みにも見られなかったノロノロ運転が首都圏や関西圏の高速道路で毎日のように頻発した。
今後、高速道路の状況はこのままコロナ以前に戻っていくのだろうか。実際に高速道路を走っている実感や走行台数のデータなどで占ってみたい。
鉄道・航空に比べて早い回復
高速道路の混み具合は、実はかなり早くから新幹線など鉄道の長距離路線や航空路線に比べて回復しつつあった。
国土交通省の「国土交通月例経済」によれば、6月の全国の高速道路の通行台数(NEXCO東日本、中日本、西日本の合計)は前年同月比14.5%減、7月もほぼ同14.1%減。東名高速道路に限れば、両月とも10~11%のマイナスにとどまった。この時期、前年比で20~30%程度しか利用者が戻っていなかった新幹線などに比べると、かなり回復していたといえる。
商品輸送などを担う商用車の行き来は活発だったこともあるし、「密」になりやすい通勤電車を避けてマイカーを移動に使う人が多かったことが推察される。
私自身も、頻繁に通勤で東京湾アクアラインを利用しているが、8月の平日でも夕方の川崎方面の車線はアクアトンネル内で毎日のように渋滞が発生していたし、9月に入っても毎回通常でも渋滞のピークになる夕方5時前後には渋滞にはまることが多かった。
シルバーウィークに入ると、連日夜8時を過ぎても木更津ジャンクションから浮島ジャンクションまで全線で渋滞となっており、これまで遠出をがまんしていた人たちが、この4連休に一気に高速道路を利用したことがうかがえる。
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