おじさん達が「臭い」と思われてしまう根本原因 恋愛相手の選定では嗅覚が大事になってくる

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ただし、女性が感じる「いいにおい」と「嫌なにおい」とには絶対的な基準があるわけではなく、個人個人で異なります。木嶋さんが好きと感じる「臭さ」は、ほかの人には耐えられないものである可能性もあります。

娘が「お父さん、臭い」と父親のにおいを嫌悪するのは、近親相姦を避けるためという話がありますが、これは、マウスの実験などでも明らかなように、なるべく自分の遺伝子と異なる遺伝子を持つ配偶相手を選ぶ性質があります。人間の女性が男性のにおいに敏感なのは、そうした「においによる遺伝子のリスク回避」というものの表れでしょう。

だとすれば、婚活男性が最適のマッチング相手を見つけたいと思うなら、むしろ香水でごまかしたりせず、堂々と自分のにおいを相手に嗅いでもらって判断してもらう方が手っ取り早いような気がします。目隠しをして、においだけで相手を選ぶ婚活パーティーがあってもいいのかもしれません。

心理状態でにおいの感じ方も異なってくる

とはいえ、現実は、においだけで恋愛や結婚相手が決められるものでもありません。このにおいに対する感覚は遺伝的背景があるとはいえ、永遠に変わらないものでもなく、経験や学習によっても変化します。

好きな人のにおいは、たとえそれが一般的には加齢臭に当たるものであっても好ましく感じますが、その相手と何かイザコザがあった場合、学習効果によって相手のにおいの評価が変わることがあります。夫婦喧嘩をした後では妻は、いままでなんとも思わなかった夫のにおいに嫌悪感を覚える場合もあるそうです。つまり、同じにおいでも、自分の心理状態によって左右されます。

そう考えると、「おじさんは臭いから嫌らわれる」なのではなく、「おじさんが嫌いだから臭いと感じる」と解釈するほうが正しいのかもしれません。嫌われないようにおじさんたちが毎日風呂に入り、洗髪をしても、はたまた高級な香水をふりかけたとしても、あまり意味はなくて、ようは好きか嫌いかの感情によって「臭い」は決定されてしまうのです。結局、救いのない話になりました。

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