「結婚相手の条件」ランキングが示す男女の本音 リアルデータを基にした実践的婚活アドバイス

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この場合ですが、男性は「恋愛感情の有無はさておき、気に入ったなら恋愛感情的な要素を出してみる」ほうがいいかもしれません(付き合ってみてから恋愛感情が湧く性格だったとしても、今その雰囲気を出さないことでせっかくのお気に入り女性を逃さなくてもよいため)。

女性は「相手の男性が恋愛感情を持ってくれないと不満を言わずに、気に入ったなら押してみる」という方法で、マッチングのチャンスを高めることができると思います(男性は女性よりも恋愛感情がなくても、結婚条件に合致すると考える割合が高いという結果から)。

母が主婦・パートだった世代

最後に、男女ともかなり多い割合で選び、また割合も一致している「自分の仕事への理解」について、とくに注意喚起をしておきたいと思います。

「男女関係なく3人に1人が、自分の仕事への理解を結婚相手に求めている」という結果を、とくに男性側はしっかり意識しておいたほうがよさそうです。それはなぜでしょうか。

この調査に回答した男女は、2015年時点で20歳から39歳の男女ですので、現在25歳から44歳の男女ということになります。この年齢ゾーンの男女の親は、近くて25年前、遠くて44年以上前にマッチングしたカップルです。

女性が産後も一般会社員として、安定的に職を得る必須条件を支える法律である「育児休業法」が施行されたのは1992年。今から28年前にすぎません。つまり、回答者の両親のほとんどが「男性は仕事、女性は家庭(ときどきパート)」の世代なのです。

そのような生活形態の両親を見て育っているため、致し方ない側面はありますが、婚活女性が「私の仕事への理解」を自分たちと同じぐらい求めていることを、当然とは婚活男性が思っていない傾向が強いと感じる事例が多くあります。

実際、ある結婚支援の現場から「男性会員からのお申し込みでお見合いを行ったら、女性会員から『結婚したら僕の実家で暮らしてほしいって言われましたが、今の私の職場にどうやって通えというのでしょうか。私のプロフィールの職業欄も見ているはずなのに、なぜ申し込んできたのかわかりません』と、速攻で怒り含みのお断りが来た」というお話がありました。

このような「無駄な申し込み」をして、婚活疲れしたり・されたりしないためにも、今回のデータから見えてくる「結婚相手の思い」を確認してもらえればと思います。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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