コロワイド幹部が語った「大戸屋買収」の真意 TOB後の子会社化で業績不振を払拭できるか

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大戸屋はコロワイド傘下に入ることにより、経営を再建できるのか(撮影:風間仁一郎)
外食大手のコロワイドは9月9日、定食チェーンの大戸屋ホールディングス(HD)への敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。これにより、コロワイドの持ち株比率(議決権ベース)は19.16%から46.77%に高まり、子会社化がほぼ確定した。
ただ、この間も大戸屋の業績は悪化の一途をたどっている。2020年3月期は売上高が前期比4.5%減となり、11億円の最終赤字に陥った。
コロワイドは大戸屋をどのように再建するのか。今回の大戸屋買収を担当したコロワイドの澄川浩太取締役に話を聞いた。

「友好的」の思いは変わらない

──紆余曲折を経た買収でした。2019年11月ごろに交渉をスタートさせ、2020年6月の定時株主総会で株主提案。それが否決されると、2週間後にTOBを発表し、8月にはTOBの期限を延長して下限を引き下げました。

当初は、友好的な話し合いができると思っていた。しかし、大戸屋の経営陣が会ってくれなかったり、提案を拒否したりしたので、株主提案をさせていただいた。

大戸屋の株主は個人投資家が多く、当初から株主提案(を通すの)はハードルは高いだろうと考えていた。そのため、平行してTOBを検討したのも事実だ。しかし、大戸屋の業績悪化が進み、看過できない状況になっていったため、株主総会から2週間でTOBに踏み切った。

TOBの条件を見直したのは、子会社化を前提としていたからだ。コロワイドはIFRS(国際会計基準)を採用しており、51%の株式を取得しなくても役員を派遣するなど「実質的な支配」基準で子会社化することができる。当初は株式取得の下限を45%くらいだろうとみていたが、40%でも大丈夫だとわかったため、応募状況を踏まえて下限を引き下げた。結果的に(取得した株数は)47%になり、当初の下限を上回る応募が集まった。株主の方々の理解が得られたと考えている。

だが、あくまでも(買収を)友好的に進めたいという思いは今でも変わらない。上場企業なので、そうした経緯も含めてすべてオープンにしなければならず、敵対的に見えてしまったのかもしれないが決してそうではない。

(大戸屋には)11月上旬にも臨時株主総会の開催を求めており、そこでは現在の取締役11人全員を解任し、われわれが推す取締役候補7人を選任するよう提案する。(大戸屋の)円滑な再建に向けて、われわれの方針を理解してくれる複数の役員の留任を含めた会社提案を出すよう大戸屋に打診しており、一緒に再建していきたい。

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