嫌いな人のために時間を使わない
“大人の生き方”につい一家言を持っておられる伊集院静氏の著書「許す力」によりますと、「人はみな、許せないことを抱え、迷いながら生きている」のだそうです。普通は自分(の欠点や過ち)も許されて生きているのだから、こちらからも許しましょうとくるところですが、氏は違います。
「許さなくても、許せなくてもいい」、「わざわざ引っ張り出して凝視せず、許せないなとつぶやきながらポケットにしまえばいい」のだそうです。少し前に「忘れる力」について触れましたが、「ポケット」方法の方が私には容易く実行に移せそうです。「許すことも許せずにいることも、生きるうえで何かしらの力になっている気がする」とも言っておられます。何か肩の荷が降りそうな考え方です。
前にも触れましたが人を嫌ったり憎んだりすることは、その人を思い出す時間も加えると、本当に非生産的で何一ついいことがありません。これからはできるだけ「ポケット」のある服を着ようと思ったくらいです。
親孝行したいときには親はなし
ストレスで病がこじれるのは今や常識です。お父様の性格もさることながら、お父様と貴女の摩擦もまた、お母様には大きなストレスのはずです。お父様からの電話はすばやく受け、「今は接客中だから、後でかけ直す」と優しく声をかけたりする等、私なら演技すると思います。お父様の寂しさも理解できるとウソをついてでもお父様に穏やかになっていただき、お母様のストレスの軽減に努めます。
酒の勢いであろうと大げさであろうと、貴女に感謝のお気持ちを伝えるお父様は、100パーセントネガティブな人でもなさそうです。演技から始めるにしても貴女がお父様に無条件で優しく接して差し上げられ、相乗効果でお父様の良さが引き出されて、それが貴女に見えるようになれば三方すべてよしですが、ドラマではありませんから、そこまでいかなくともダメ元ということで。
どんなに好きでなかった身内でも、ましてそれがお父上ならば、必ず訪れる永遠の別れのあとは年を重ねるごとに、生前中には気づかなかったことにも折に触れ追憶するようになるものです。
その時に貴女自身が後悔し苦しまないために、そして貴女とご両親の残された時間を比較してでも、そして何よりもすべてはお母様の待ったなしの療養のために、貴女が「ポケット」と「ともかく期間限定の演技」作戦に「チェンジ」されるのはいかがですか?
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