大人も魅了する「進化系クッキングトイ」の実力 巣ごもり需要で例年以上に市場も活性化する

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メーカーはさまざまなクッキングトイを投入している。写真はメガハウスのアジアンフードストリート(写真:メガハウス提供)

コロナ禍でレジャーもままならないなか、家での食事に楽しみを見いだす人も多いのではないだろうか。しかし毎日自炊も疲れるし、家で食べるテイクアウトは、味はよくともエンターテインメント性に欠ける。

そんな“家メシ倦怠期”に投入したいのが、クッキングトイだ。クッキングトイとは、実際に食べられる食品が作れる玩具。料理のハードルを下げつつ、家での食事に遊び心を加えられる点がウケている。

新型コロナウイルスの影響で巣ごもり需要が盛り上がってることを背景に、今年は例年に輪をかけて市場が活性化している。例えば人気の「そうめんスライダー」は、この夏のメーカー売り上げが昨年対比で約2倍になったという。

そうめんスライダーが人気

さらに、玩具専門店の日本トイザらス広報の見岡大輔氏によると、クッキングトイは今年ならではの売れ行きの変化があったという。

「クッキングトイ市場は10年以上前から活況で、現在トイザらスでも専門コーナーを設けています。トイザらスで今年(8月時点)のいちばんの売れ筋は『そうめんスライダーエクストラクリア』。人気のシリーズですが、特に今年は出足が早く5月の連休ごろから売れました。いつもは本格的に暑くなってから売れだすのですが、今年は巣ごもりの影響もあってか火が点くのが早く、弊社では品薄の状況です」(見岡氏)

「ビッグストリーム そうめんスライダー エクストラジャンボ」は東京サマーランド監修。実際にウォータースライダーを滑る人のように、そうめんが身をよじりながら滑り降りてくる(写真:タカラトミーアーツ 提供)

「そうめんスライダー」シリーズは、クッキングトイの購買層を広げる起爆剤になった商品だ。流しそうめんは日本の伝統文化で、そうめんを流す機械にしても以前からあったものだ。しかしそうめんスライダーは流れる距離を数メートルにまで伸ばし、流し方のギミックをこれでもかと盛り込むことで、家族団らんやパーティ需要に応える玩具となった。

5月の連休といえばコロナウイルスの影響による緊急事態宣言の真っ最中。家で過ごさざるをえない状況で、毎日の食を楽しもうとする人々のニーズが高まったのだろう。また数年前と比べて商品の幅が広がり、各社の個性が強く出るようになった点も市場の拡大に一役買っている。

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