芸人のうまい例えが「頭のいい人」の証拠なワケ 本質を把握しているからこそ、人に伝わる
芸人さんは頭がいい。そんな言説を聞いたことがないでしょうか。お茶の間に「笑い」を届けるプロフェッショナルである芸人さん。メディアを通じて見る姿は時に「おバカキャラ」であったりしますが、もちろんそれはあくまでキャラ。人に笑ってもらうということは、われわれのような素人には想像もつかないほど難しいことだと想像します。
ところで芸人は何が優れているのでしょうか。「頭がいい」とはとても抽象的でぼんやりした表現に思えるのは私だけではないはずです。実は数学的なフィルターを通すことで、この問いにある答えが浮かび上がります。
松本人志さんは「お笑い」をどう捉えているか
あらためて、芸人の頭のよさとはなんでしょうか。これをよく「頭の回転が早い」という言葉で片付けてしまう人がいます。しかし、拙著『数学的に考える力をつける本』でも詳しく解説していますが、それは少しばかり表層的であり、彼らの優れたところはもっと深く具体的なものだと考えています。
例えば売れている芸人の代表格としてダウンタウンの松本人志さんを挙げます。ご存じない方はほとんどいないほど知名度や実力を兼ね備えた芸人と言っていいでしょう。その松本さんは、「お笑い」というものをあるものに例えてこう表現をしています。
「(お笑いは)ちょっとまあ七並べに似ているとは思いますかねぇ」(NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」より)
私たち素人には到底わからない、松本さんだからこそ見えている景色がある。だからこそこの例えが作れるのだと私は勝手に解釈しています。ここで私が主張したいのは、実績を出してきた芸人の優れたところの1つに「うまい例えを作れること」があるということです。
例えばツッコミが上手なある人気芸人。細長い脚を見せる女性ファッションモデルさんが一列に並んだ状態を見て、「お箸売り場や」と一言。私も思わず笑ってしまいましたが、これもまさにうまい例えと言えるでしょう。
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