子供の教育費を払いながら老後資金を貯める方法 JKと考える「withコロナ時代」のお金計画

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「大問題?」

そうなのだ。実は、父と母の楽しみは、2人であちこち旅行に行くことなのだ。コロナ禍で行きづらくなって旅行熱はますます高まり、「行きたいところリスト」はどんどん増えている。

そんな2人の希望を「人生プラン」に盛り込み、つくったプランに旅費50万円×10回で500万円をマイナスすると、「④現在貯蓄額(A)」は「-800万円」から「-1300万円」になるではないか。さらに、花実は老後生活費は20万円以上もあるから余裕だと思っていたが、そうではなさそうだ。母は、「老後生活費が約28万6000円では心もとない。せめて33万円くらいは欲しいわ」というのだ。

老後は毎月いくら必要か?

「花実のおじいちゃんとおばあちゃんは70代だけど、コロナ前は、とっても元気にあちこち旅行に行って楽しそうだった。だから、パパとママにも好きなことをして、いつまでも若々しくいてほしいなって思うんだ。でね、老後生活費率を上げて計算すると、必要貯蓄率(S)も上がっちゃうでしょう? お年をとっていくパパとママが大変だなって。エマ先生、どうすればいい?」

「老後に余裕も欲しいけれど、今の生活もきつきつにはしたくない。それはそうよね。ポイントはやっぱり教育費でしょうね。親子でどう負担していくかを考えなくちゃね。親の負担が大きすぎると、老後が苦しいものになるし、そもそも計画どおりの貯蓄ができなければ、結果的に子供に負担をかけることになるでしょう? 逆に、子供の負担が大きすぎると、子供自身が貯蓄ができなくなる」

「それはヤバい!」

「教育費をどうしていくか、奨学金をいくらまで借りられるか、ハナミの必要貯蓄率を出して具体的に考えてみましょう」

※年金額は令和2年の年金額をベースにした手取り額です。20歳未満60歳以降の厚生年金加入期間は、基礎年金の合算対象期間として、相当額が厚生年金の「経過的加算」として反映されます。年金額の算出方法等は『人生にお金はいくら必要か』(東洋経済新報社)をご参考にしてください。

FPエマ先生からアドバイス

教育費の基本的な考え方は、高校までの費用は貯蓄を取り崩さず、月々の生活費の中から賄えるのが理想です。教育費を支払いながら、必要貯蓄率を貯蓄していかなければなりません。言い換えれば、必要貯蓄率を守れる範囲で、教育費の支出を抑えることが必要になります。しかし、子供の希望をかなえてあげたい、教育費は聖域であるという親の思いもわかります。そのうえ、教育費は年々上がり、家計を圧迫しています。

解決の道は、「人生設計の基本公式」で将来の見通しを立て、長期的な視点を持って親子で話し合うことでしょう。さて、大里家の家計はいかに。次回に続く。

次回は8月16日掲載の予定です。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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