――旅行など、コロナ禍でダメージが深い産業を手がける投資先では業績が厳しいのではないですか。
旅行、アウトドア関係、あるいは巣ごもり需要で停滞しているようなtoC(消費者向け)の事業は影響を受けている。
(ジャフコの)投資先はベンチャーだけでざっと110社ぐらいあるが、一番落ち込んだのは4月だった。5月も落ち込んでいて、5月の後半からちょっと上がってきている。4月だけみると、3月に比べて売り上げが減った企業が6割あった。
一方、残りの4割は売り上げを維持しているか、逆に伸ばしている。対前年で見ても、昨年4月よりも売り上げが減少した企業は4割弱で、この4月は昨年よりも売り上げが増えたという投資先が6割ある。簡単に言ってしまえば、まだ売り上げが立ち始めたばかりなので、成長余力が高いからこういう現象が起きている。
有望な投資対象は減っていない
――スタートアップの側からの資金需要はどうですか。
調達額は結果的に絞られていく、ただし、デジタル化の中でそれ相応の資金を立ち上げ(事業展開)でドカンと投入していかなきゃいけない。今まで30億円集めていたところが「3億円しか集まりません」という感じではなくて、今まで20億~30億円集めていたところが10億円、20億円で次のラウンドまでしのいでいくという感じだ。
金融危機直後は起業される方が極端に減った。お金も集まらないし、マインドも冷え込んでいた。すでにあったスタートアップも慎重になり、本来は資金調達をするべきなのだが、なかなかそこに至らなかった。
今回は起業に対する若い人たちの気持ちが全然冷えていない。そういう意味では「起業マインド」というものが定着してきたなと思う。
彼らからしても競争環境が激しいので、いち早く資金調達して、頭1つ2つ抜けたいはずだ。私どもから見て有望な投資対象が減ったとか、あるいは、資金需要が停滞しているということはまったくない。
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