コロナ2波で「株・ドル暴落、金暴騰」は起きるか

「バブル崩壊」や「金融危機」に過敏な人の論理

アメリカの月次経済統計は、鉱工業生産、小売売上高、住宅着工等々、幅広い統計で4月が最悪であり、5月、6月と回復を見せている。日本のマクロ月次統計は、心理を測るデータ(ソフトデータ)は、景気ウォッチャー指数、消費者態度指数ともに、4月が底で、5、6月とやはり持ち直している。

一方、日本のハードデータ(実際の経済活動を推し量るデータ)は、アメリカより遅れて、4月より5月の方が悪い、といったものが、ほとんどだ。

しかし、7月31日(金)に発表された6月分のデータをみると、失業率は4月の2.6%から5月は2.9%の近年の最悪記録となったあと、6月は2.8%に低下(改善)、鉱工業生産は5月が前月比で8.9%減少した後、6月は2.7%増と盛り返している。

ちなみに、製造工業生産予測指数によれば、製造業企業は、7月は前月比11.3%増、8月も3.4%増と、生産回復が引き続くと見込まれている。このように、市場は月々の明るい動きを踏まえているのだろう。

市場の関心事は「過去」よりも「その先」へ

なお、市場は先を見ていくものなので、実際には4~6月の動向より、その先はどうか、という方が、はるかに市場の関心事だと思われる。

実は7月のソフトデータはアメリカではかなり発表されてきており、新型コロナウイルスの流行のぶり返しもあり、やや小休止の様相だ。たとえば消費者心理については、主なものはミシガン大学の消費者態度指数とコンファレンスボードの消費者信頼感指数だが、前者は6月の78.1から72.5に、後者は同じく98.3から92.6に、悪化している。とは言っても、4月の最低値は、前者は71.8、後者は85.7であったから、底抜けしたというような状況ではない。

今週は、企業心理を表すアメリカの7月分のソフトデータが発表される。8月3日(月)のISM製造業景況指数は、6月の52.6から7月は53.6に上昇すると予想されている。一方、5日(水)に予定されている同非製造業指数は、同じく57.1から55.0に低下すると見込まれており、まちまちだ。

最も注目度が高い7月の雇用統計は7日(金)の発表予定だが、非農業部門雇用者数は前月比で167.5万人増の予想と、増加が見込まれているものの、6月分の480.0万人増からは勢いを欠く。4月を底とした6月までの米景気の立ち直りはそれなりに堅調だったが、やはり7月はひと休みで、それを受けた株式市況も一休みとなりやすいだろう。

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