中国アプリ、日本で禁止されると何が起きるか TikTokよりWeChatやWeiboの方が大きな打撃

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中国企業排除を強めるアメリカのトランプ政権は、大手通信機器メーカーのファーウェイに続いて急成長するTikTokを標的とするようになった。TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)も2019年からアメリカ政府や議員の圧力をかわすため、TikTokを分社して海外に本社を設置することを検討していた。

また、2020年5月末には、ウォルト・ディズニーの動画配信サービス「ディズニー・プラス」を統括してきたケビン・メイヤー(Kevin Mayer)氏をバイトダンスのCOO(最高執行責任者)兼TikTokのCEO(最高経営責任者)に迎えた。だが、コロナ禍で米中関係がさらに悪化し、バイトダンスの想定よりも早くTikTok外しが進んでいる。

日本、米国、インドは最重要国

TikTokは海外市場を重要度に分けてランク付けしているが、アメリカ・インド、日本の3カ国は特に重視されている。

その1つであるインドは、国境付近で中国と紛争が起きたこともあり、6月末に「安全保障や国防を脅かす」としてTikTokを含む中国の59アプリの利用を禁じた。ナレンドラ・モディ首相は、フォロワーが約24万人いる中国のミニブログ「Weibo(微博)」のアカウントを削除。アメリカ政府も中国への情報流出リスクを理由に、TikTok利用禁止に動いており、自民議連も、追随した形だ。

本松さんは、「この3カ月、アメリカ人の動画が目に見えて増えた」と話す。実は、TikTokによると2019年時点のアメリカの月間アクティブユーザー数(MAU)は2650万人だったが、コロナ禍のステイホーム期間中にさらに利用者が増えた。

バイトダンスはTikTok(中国版は抖音)をリリースする前は、ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」で知られていたが、どちらも人工知能(AI)を駆使したユーザーニーズへの最適化を武器としており、アメリカユーザーの隙間時間を短期間で侵食している点も、警戒される要因となったのだろう。

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