7月16日、中国政府の国務院国有資産監督管理委員会(略称は国資委)は記者会見を開き、2020年1~6月期の中央企業(中央政府直轄の大手国有企業)の業績を発表した。それによれば、今年上半期は新型コロナウイルス流行の影響を受け、中央企業の総売上高は13兆4000億元(約205兆円)と前年同期比7.8%減少。純利益は4385億5000万元(約6兆7100億円)と同37.7%減少した。
だが国資委秘書長の彭華崗氏の説明によれば、上述の業績は事前の予想よりもよかったという。と言うのも、新型コロナは一部の大手国有企業の経営に深刻な打撃を与え、中央企業全体の業績をさらに押し下げる懸念があったからだ。例えば中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空の航空大手3社は上半期に合計140億元(約2142億円)もの損失を計上した。
また、中央企業の一部は政府の景気浮揚政策に従って利益の社会還元を実施している。それが純利益の減少幅を広げた一面もある。例えば国家電網と中国南方電網の送電大手2社は1~6月期に合計540億元(約8262億円)を、中国移動、中国電信、中国聯合通信の通信大手3社は合計420億元(約6426億円)をそれぞれ還元した。
政府のインフラ投資拡大で設備投資が増加
なお、中国国内で新型コロナの感染拡大が抑えられるとともに、中央企業の業績は徐々に回復している。6月単月で見ると、中央企業97社のうち半数を超える58社の純利益が前年同月を上回り、46社の純利益の増加率は前年同月比10%を超えた。また中央企業全体でも、6月の純利益の総額は1664億8000万元(約2兆5500億円)と前年同月比5%増加した。
生産活動も正常に戻りつつある。中央企業による1~6月期の鉄鋼生産量、原油生産量、発電量はいずれも前年同期の98%以上の水準に回復した。また、船舶の新規受注は前年同期比21.2%、電力設備の設置容量は同5.1%、石炭販売量は同1.8%それぞれ増加した。
政府のインフラ投資拡大を受けて、中央企業の固定資産投資(設備投資に相当)も伸びている。1~6月期の中央企業の固定資産投資は前年同期比7.2%増の総額1兆元(約15兆3000億円)に達し、なかでも発電、自動車、通信、金属精錬などの産業では増加率が15%を上回った。
(財新記者:白宇潔)
※原文の配信は7月16日
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