「過去の経験を捨て、頭の中を真っ白にしてひたすら学ばせてもらおうと思っています。確かに学習塾や教育出版に対して経験はありますが、個別指導については無知です」
謙虚に聞こえるが、これは商売人である台湾人ならではだ。楊氏は続ける。
「第一段階は日本式のやり方を徹底的に吸収します。そして成功実績をたくさん作ります。成功をコピーするのが最も速いためです。
台湾の明光義塾では現在、台湾の明光義塾の82教室のうち、直営が14箇所で約2割弱。残りの8割強はFC加盟主による経営です。
会社設立の2年目、私たちは直営の教室を7箇所開きました。そして3年目には、私自身が加盟主になり、自分のお金で10箇所の教室を設立しました。台湾でFC加盟の話になると、誰からも開口一番に「自分のお金でやって成功したのか」と聞かれますし、私自身もそれが最も大切だと思っています。
会社、そして私自身も翰林出版も、それぞれが自分のお金で教室を運営し、全て成功させました。誰かの成功体験は、成功したい次の誰かを加盟主候補として連れてきてくれます。私たちは誰彼かまわず加盟させたりはしません。教育はすぐには成せない、時間のかかるものだからです。
これから少なくとも100の教室設立を目指していますが、100の教室のうち1つでも質の悪い教室があれば、そのほかの99も悪いと思われてしまう。だから私たちは加盟主への要求が高いし、それに応えられない人はうちには適さないでしょう」
ロゴから掲示物、すべて「日本式」を踏襲
同社ではロゴから会社内で使う掲示物、社内における全てのオペレーションまで、日本の明光義塾と限りなく同じにすることを徹底している。月に一度はエリアの、3カ月に一度は全台湾から全教室長が合同会議に集まることが義務付けられている。教室の施工は、例えFC加盟主のものであっても本部が施工管理する。なかなか厳しい要求だ。
こういった統制が取れていてこそ、新型コロナウイルスの影響を最小限に留められたように見受けられた。
「私たち日台のコラボレーションはとてもうまく行っています。最近台湾では個別教育の学習塾が増えてきました。これはこの市場に商機があると台湾人が気付き始めた証拠です。日本の個別指導のパイオニアに教えを請うた私たちが、台湾でも同じようにパイオニアになれるよう引き続き走り続けますよ」と期待をのぞかせた。
こうした成長への飽くなき姿勢。今度は日本側が台湾式を取り入れてみるのも、成長へのヒントになるかもしれない。
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