「日本製品」が海外で売れなくなった根本原因 中国に一度敗れた「メイド・イン・ジャパン」

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日本では、あらゆるビジネスにおいて「最初から完璧」が目指される。ただし、ここで目指されるのは「減点型の完璧さ」である。尖ったビジネスアイデアの、新しくておもしろいが、リスクや穴のある要素は、早期に取り除かれやすい。魅力的に発展しうる要素を切り捨て、安全・無難で、これまでの延長線上の少し先にあるような、小さくまとまった新商品に仕上げられていく。

開発・プロモーション・販売も前例に基づき、慎重に、長い時間と労力をかけて完璧なプランで新商品をリリースしようとする。緻密なプランがあるがゆえに、最初の市場の反応が良くても悪くても、それが予想と異なっていたときにすばやい軌道修正を行うことは難しくなる。

このように、おもしろいが危うく伸びそうな「価値の枝葉」を早期に取り除き、じっくり時間をかけて、きれいで小さなプロダクトへ磨き上げるのが日本の得意とする「減点型の完璧主義」だ。ここでは、完璧に完成された1つのプロダクトをつくって、広めることがビジネスのゴールとなる。これはかつてのメイド・イン・ジャパンを支えた強みだが、近年における世界のトレンドからは逆行するものになってしまった。

世界のトレンドは「加点型の完璧主義」

いま世界で勝ち上がっているのは、「加点型の完璧主義」だ。こちらでは、おもしろいアイデアが出てきたら、できる限り早くMVP(Minimum Viable Product)に仕上げてリリースする。

MVPとは、「最低限の価値を持った商品」を意味する。それを一度リリースしてみて、まずは市場の反応を見る。そして販売と並行して、市場の反応がよかった要素をさらに伸ばし、悪かった要素は優先的に改善してバージョンアップしていく。このサイクルをライバルよりも高速で実現できるか否かが、勝負を分ける。だからシリコンバレーでは、「最初のプロダクトが恥ずかしいものでないなら、それはリリースが遅すぎた証拠」とまで言われる。

実際、1995年にリリースされたAmazonの初期ホームページも、2007年の初期iPhoneも、いずれも粗削りだった。だが、MVPを市場に出してニーズを検証し、急速に水準を向上させ、ともに破壊的なイノベーションになったことは周知のとおりだ。

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