香港市民を救え!開き始めた台湾の保護傘計画 人権派弁護士や牧師が活動家の自活を支援

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世界的な新型コロナウイルスの流行以来、香港のニュースを見ることがめっきり減ってしまった。だが実際は香港の抗議者たちを取り巻く情勢は依然として厳しいままだ。

2020年4月18日、突如として香港警察は香港の有力メディア『蘋果日報 (アップル・デイリー)』の創立者である黎智英 (ジミー・ライ)氏や「香港民主化の父」と呼ばれる李柱銘(マーティン・リー)氏、元立法会議員で弁護士の呉靄儀(マーガレット・ン)氏ら15人の民主派活動家を一斉摘発した。すぐ保釈されたとはいえ、中国や香港政府に異を唱える者への強い粛清を感じさせる出来事だった。

この一斉摘発の直前には、中国の出先機関である「中央政府駐香港連絡弁公室 (中連弁)」と「国務院香港マカオ事務弁公室」が香港の立法会を批判する文書を発表し、香港が「国家安全における穴になってはいけない」とした。

広がる「一国二制度」形骸化への懸念

さらに香港政府は香港基本法の解釈を変更。同第22条には「中国政府所属の各部門は、香港特別行政区が本法に基づき管理する事務に干渉できない」と明言されているにもかかわらず、香港政府は中弁連の香港の事務への介入を「当然のこと」としたのだ。中弁連が中国政府に属する一部門ではなく、それ以上の権限を持つ機関であると認められた形だ。この基本法の解釈変更により、香港における一国二制度の形骸化への懸念が広がった。

その頃、人権派弁護士の黄国桐氏は、逮捕された民主活動家のために奔走していた。黄弁護士は「一国二制度は有名無実となった。香港は死に至るほど危険な状態だ」「最近の中国共産党による圧力を考えると、優先させるべきは仲間の身の安全だ」と言う。

また黄牧師は、中国政府が今後、香港で実践することは「殺、関、管」だと話す。「殺」とは「勇武派」と呼ばれる武闘派の若者が、警察によって「自殺させられる」こと。「死因に不審な点があるにもかかわらず、自殺として処理されること」を指す。特に権力による殺害・隠蔽が疑われるケースに使われることが多い言葉だ。

香港デモの際にも、自殺と発表された若者のなかに「被自殺」が疑われるケースが指摘されている。デモ参加前に公の場で、「私は自殺しません」と宣言する若者が相次いだのはこのためだ。

2つ目の「関」は「閉じ込める」の意で、有力な民主活動家らの逮捕・軟禁を意味する。3つ目の「管」は「管理」の管だ。黄牧師によると、中国政府は殺と関で反政府の声を上げることができない雰囲気をつくり、最後に残った民衆を管理すると考えられる。いずれにせよ、聞こえるのは香港の未来を憂う声だ。

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