ビートルズ解散50年経ってもなお語られる魅力 ジョブズやゲイツも彼らの世界観に浸った

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ジョブズは、ビートルズにインスピレーションを感じて、その生涯をまっとうしたひとりであった。彼は優秀な人材を集め、その融合から生まれるシナジー(相乗効果)を引き出すカタリスト(触媒)として優れていたが、そのインスピレーションの源泉はビートルズであったとCBSのインタヴューで語っている。

「ビジネスの手本はビートルズだ。彼ら4人はお互いに問題を抱えながらもバランスを取り合い、全員がひとつになることで、それぞれの活動を合わせた以上に素晴らしい力を発揮した。これが、私の理想とするビジネスのあり方だ。ビジネスにおける偉業はひとりでは成しえない。それはチームによってもたらされるものなのだ」

また、ジョブズが設立した会社は「アップル」(名づけ親はジョブズ)だが、その社名がビートルズがつくった会社「アップル・コア」に由来するのは間違いのないところだ。

私生活においてもビートルズの影響は大きかった。ビートルズの好んだインドを旅し、導師を訪ね、禅に興味を持ち、瞑想し、マリファナを吸った。

ビートルズの楽曲は愛用のiPod に入れていた。しかし、自宅ではレコードをかけることが多かった。過去のテクノロジーを否定するのではなく、現代のものと併用することで、ビートルズの音楽を享受したのだった。あたかも、それは、ビートルズはこう聴いてほしいという手本のようでもあった。

「クレイジーな人たちに祝杯をあげよう」

1997年、売り上げや企業イメージでマイクロソフト社に大きく水をあけられていたアップルは、創業者スティーヴ・ジョブズを復帰させると、建て直しの一環として「Think different キャンペーン」を行った。

アインシュタイン、ガンジー、ピカソ、ジョン・レノン、マイルス・デイヴィス、モハメド・アリなど、社会と意識に変革をもたらした天才たちが映しだされる白黒の画面に、「クレイジーな人たちに祝杯をあげよう」で始まるナレーションが流れた。

「クレイジーな人たちに祝杯をあげよう。はみだし者、反逆者、やっかい者、変わり者、ものごとが世間の人たちとは違って見える人。彼らはルールを好まない。現状も肯定しない。人は彼らを引き合いにだし、同意しなかったり、賞賛したり、けなしたりする。でも、彼らを無視することは誰にもできない。なぜなら、彼らはものごとを変えてしまうからだ。彼らは人類を前進させる。彼らをクレイジーと呼ぶ人がいるが、わたしたちはそこに天才の姿を見る。世界を変えられると信じるクレイジーな人たちこそが、じっさい世界を変えているのだから」

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