悩めるビジネスマンに勧めたい「第3の思考法」 複雑な問題にベストの判断を下すには?
最新の脳科学が見出した「無意識思考」
人間の思考については長年、心理学をはじめとして、とくに「行動経済学」の分野において研究がなされてきました。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの行動経済学者ダニエル・カーネマンは、人間の思考には「直観(速い思考/システム1)」と「論理(遅い思考/システム2)」の2つがあるとしました。私たち人間は意思決定の対象が何であるかに合わせて、最もよい決定ができるように、これらを使い分けているというのです。
さらに近年、これら2つの思考法に加えて、「第3の思考~Third thinking(システム3)」が最先端の脳科学・心理学研究において提唱されるようになりました。この第3の思考によって、現代社会で頻繁に直面する、複雑で難しい意思決定において最善の選択ができるようになり、創造性もアップすることが多くの研究で示されてきました。
これこそが今回ご紹介する「無意識思考」です。端的に説明するなら、「課題に対して意識的な注意が向けられていないときの思考」という意味になります。思考していることすら気がつかない。それゆえ、無意識思考と呼ばれるのです。
私たちは認識していないだけで、実はこの思考法を日常的に利用しています。
例えば、新企画の構想を練るために何時間もかけて情報を集め、検討したのに、なかなかいい案が思い浮かばない。いったん切り上げて家に帰り、お風呂につかってゆっくりしていたら、不意に名案が思い浮かんだ。このような経験はありませんか。
帰宅途中も、お風呂につかっている間も、脳は無意識に新企画について思考しています。私たちが気がつかないだけで、脳は新企画について思考し続けているのです。このような思考を「無意識思考」と言います。
有名な心理学者のジークムント・フロイトは次のような言葉を残しました。
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