悩めるビジネスマンに勧めたい「第3の思考法」

複雑な問題にベストの判断を下すには?

「ささいな意思決定をするときは、長所と短所をすべて考慮したほうがよいとわかっています。しかし、パートナーや職業選択のような重要な選択になると、意思決定は自分自身のどこかから、無意識からくるかもしれません」

フロイトの言う後者の思考法こそ、無意識思考なのです。当時は残念ながら、無意識思考の解明までは科学技術が進歩していませんでした。ところが、脳科学・心理学の急速な進展に伴い、私たちが無意識に思考しているという事実が次々と明らかにされています。

無意識思考を使うことによって、採用試験や結婚相手などの選択の場面で人の本質を見抜くことが可能となります。ビジネスでは、顧客の要望にきちんと応えられるようになるでしょう。

歴史上の偉人たちも活用してきた

「無意識思考」と「論理(遅い思考/システム2)」――。限られた情報から正確な判断をしたり、単純な選択を行ったりするときには、「論理(遅い思考/システム2)」のほうがよい選択ができることは、実験でも証明されています。

一方、複雑な選択を行うときには、扱える情報処理の量が格段に大きい無意識思考のほうが、正確な選択をするのに向いています。

そして、AIでは代替できない、創造力を発揮することができるようになります。ひいては、人の「隠れた能力」を開花させ、発明・発見によるブレークスルーも起こせるようになるかもしれません。ビジネスにおいて「隠れた能力」を開花させるとは、わかりやすくいえば、類まれなアイデアを生み出せるということです。

例えば、折れたら使えなくなる傘を、あえて折って持ち運びしやすくした折りたたみ傘が登場したときのように、小さな変化で世の中を大きく変えるイノベーションを生み出すことも夢ではありません。

35年という短い生涯の間に、1000曲に近い名曲を世に送り出したオーストリアの天才音楽家モーツァルト。

バレエ音楽『白鳥の湖』をはじめとして、誰もが聞いたことのある名曲を数多く残した、同じく天才的音楽家と名高いロシアのチャイコフスキー。

数学者、物理学者、天文学者として数々の偉業を成し遂げ、特に「トポロジー」という新しい数学の概念を発見し、「ポアンカレ予想」を提言したことで知られフランスの数学者アンリ・ポアンカレ。

多くの偉人は無意識思考を使っていると思われるエピソードが残されています。ソニーの創業者である盛田昭夫氏もその一人です。盛田氏の言葉をご紹介しましょう。

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