「年収2000万円男性」の結婚を台無しにした一夜 40代半ばにして20代女性とマッチングしたが

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ほかの相談所で2、3年婚活を続けても成果が出ず、最後の砦として弊社に来て、それでも「自分は変わりたくない、変えたくない」という男性はたくさんいますが、説得してレッスンを受けたら別人のようになります。

一方、女性でも「先生」と呼ばれる立場の人や役職が付いている人は、やはり「自分は仕事だけでなく婚活も勝てるはず」という意識から抜け出せないのか、ものすごく上から目線のことが多いですね。決まって相手の希望年収は「1000万円以上」と書きます。本人も相当ありますから、そこは譲れないようです。そして、自分の理想に叶う男性を探し続けますが、自分自身は決して変わろうとしません。

「転勤」「公立出身」「離婚親」すべてNG

自分の父が経営する会社の事務をしている30代女性Bさん。彼女の場合は、親世代から受け継いだ時代錯誤な偏見とこだわりにとらわれていました。一家でエリート意識が強く、「上から目線」なところがありました。

例えば、「相手の親が離婚している場合は絶対にダメ」「出身学校が公立はダメ」と言う。「なぜ?」と聞くと、今どき聞かない差別用語を平気で口にする。

さらに「ブラック企業に勤めている人はダメ」「転勤がある人はダメ」「地方に住みたくない(Bさん一家は東京在住)」「結婚したら15分以内にママ(自分の母親)に会える距離に住みたい」「38歳以上はダメ」という条件がありました。

Bさんは堅実な都内在住の公務員と、年収1000万円でマンションを1棟持っている御曹司の2人とお見合いし交際に進みましたが、公務員に対しては「転勤がないのはいいけど、彼の両親は離婚しているからダメ」と言う。自分の母親に相談しても、やはり「そんなの論外」とキッパリはねられたそうです。

御曹司は経済的にも素晴らしい好条件。こちらならいいのではないかというと、やはりマンション1棟所有には魅力を感じているようですが、「太っているから嫌」と言う。太っているのはダイエットすればどうにでもなるのに⋯⋯。

Bさんのように親が昔の価値観であれこれ口を出すケースも多いのですが、婚活においてははっきり言って困りもの。過去の価値観は婚活の足を引っ張ることもあります。今の社会には当然不適合な考え方もあるわけです。そういった価値観に変わるように導いていきますが、成婚まではまだ遠そうです。

植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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