レッスンでは、それぞれの会員に合わせて髪型やファッション、礼儀作法を“婚活向き”に変えていきます。実際にスタイリストが同行して買い物にも行きます。エスコートも特訓します。
女性がヒールを履いているのに1人でどんどん歩いて行ってしまう、エスカレーターがあるのに階段を勢いよく下りてしまう、寒い季節に何キロも歩かせる⋯⋯事前に想定されるNG事項は細かくお伝えしています。
Aさんはずっと「エリートの自分がなぜ女性に媚びなければいけないんだ」という意識が強かったのですが、「結婚するには、自分を変える必要性を理解しないと。変わろうとしない人は縁遠くなるばかりですよ」と説得しながら進めていきました。
焼肉屋から3流シティホテルへ
若い女性を希望していたので、20代女性とマッチング。女性は「こんなに高学歴で素晴らしい人、うれしいです」と大喜びしてデートを重ね、いよいよプロポーズというところまで進みました。
当日、Aさんを呼んで「今日はプロポーズだよ。きちんとした場所をセッティングして、お花を持ってね」と散々念を押しました。Aさんは「わかりました」と返事をしていましたが⋯⋯残念ながらまったくわかっていませんでした。
その日、Aさんが連れて行ったお店は焼肉屋さん。一応、都心の高めのお店だったそうですが、若い女性と膝を突き合わせるという状況に気持ちが高ぶってしまったのでしょうか。それとも、プロポーズを前に緊張をほぐそうとしたのでしょうか。お酒を何杯も飲み、ベロベロに酔ってしまいました。プロポーズをリードすべき立場としてありえない大失態です。
しかし、Aさんの過ちはそれだけではありません。あろうことか予定していたプロポーズの場に行かず、お花も買わず、手を引っ張って3流のシティホテルに連れて行ってしまったそうなんです。
翌朝6時、女性から大泣きしながら私のもとへ電話がかかってきました。「プロポーズしてくれるって言っていたじゃないですか」と。私はてっきりうまくいったものと思っていましたから驚きました。あれだけ念を押したのに、プロポーズをせずにホテルに連れ込むなんて、断じてあってはならないこと。
女性は「こんないい条件の男性に捨てられたくない」という思いで我慢してついて行ってしまったそうですが、相手は酔っ払ったずっと年上の男性。いつものエリートビジネスマンの印象は崩壊し、ひどくショックを受けたそうです。成婚前の性交渉は契約違反。2人とも「成婚料」(性交渉をした時点で成婚とみなす)を払って退会となります。
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