あなたが人事評価に納得できないのが当然の訳 その基準も評価者の質もまるでバラバラ

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あなたのパフォーマンスとポテンシャル、キャリア目標を討議し、ボーナスをいくらにするか、昇進させるかといった重要な決定が下されます。

ほとんどの企業にとっての最大のコストは、従業員の給与と福利厚生費です。そのため、このプロセスは、上層部に非常に真剣に受け止められています。あらゆる大企業の上級幹部にとって最も差し迫った問題、最大の関心事とは、「どうしたら従業員のありのままの姿を正しく評価できるだろうか?」なのです。

しかし、上層部の心持ちとは裏腹に、評価される側の多くは、裁定に納得がいきません。

企業の人事評価で多いのが、5段階の評価。

チームリーダーが部下について話し、評点を4にした根拠を主張して、また別のチームリーダーが部下に5か4の評点を与えた経緯を説明します。それから、4とはどういう人材なのか、あるチームの4と別のチームの4に違いはないか、この人材は今年度本当に4に値するのか、組織全体で見てまだ4の枠は残っているか、といったことを討議します。

もしも4の枠がなくなったら、その場合は泣く泣く3を与え、「あなたは本当は4に値するのだが、今年はあなたの番ではなかった。来年は4にできるように計らおう」などと本人に言って聞かせることも。

ハイパフォーマーに認定される人材を一定の割合に抑えたい組織の思惑と、気詰まりな話し合いをせずに済むように全員に高い評価を与えたがるチームリーダーのニーズとを折り合わせる、非常に厄介な評価プロセスです。

5段階評価で人は「4か5」ばかり選ぶ

また、純粋に5段階で評価するよう求められると(相対評価ではなく、いわゆる「絶対評価」)、人は4か5ばかりを選ぶ傾向にあります。

これは、アンケート調査などであなたも経験があるかもしれません。

例えば何らかの研修を受けた後で、受講者に「全体的に見てよい学習経験だった」という質問項目に「①まったくそう思わない」から「⑤強くそう思う」までの5段階で評価してもらうと、ほぼすべての回答が4か5になります。

同様に、絶対評価という条件の下、チームメンバーを1から5の5段階で評価するようチームリーダーに求めると、得られるデータはまるで3段階評価のよう。チームリーダーが下2つのスコアをつけることはまずないためです。

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