金融庁の「資産運用高度化室」はポエムに近い?

資産運用業の高度化という問題意識は不適切

まず、「資産運用業の高度化」という問題意識の持ち方が不適切だ。資産運用そのものに関しては、技術的かつ本質的に、急に「高度化」するようなものではないし、運用技術の高度化自体が行政の目標になじむものではない。

「高度化」などという曖昧な言葉を行政は使わない方がいいと思うのだが、かつての「霞ヶ関文学」から、安倍政権下では「霞ヶ関ポエム」に流行が移っているようであり、「〜の現状について」くらいでいいところに「プログレスレポート」などという横文字を持ってくる辺りの感覚も「イタイ!」。

資産運用業の「効率化」か「適正化」がふさわしい

しかし、報道によると金融庁は「資産運用高度化室」を設置するつもりらしい。いやはや。実際の仕事の中身がポエムにならないことを切に祈る。

適切なのは、資産運用業の「効率化」か、顧客に対する態度の変化の重要性を意識するなら「適正化」だろう。

一つ懸念するのは、行政が資産運用業の「高度化」と言った時に、欧米の運用ビジネスに似た感じを漠然と「高度化」と捉えていないかだ。

運用会社が投資先の「ESG」(環境・社会・企業統治)にかかわったり、運用会社の役職員に運用成績に連動する大きなボーナスを支払ったりすることを、「高度化」だと考えているのだとしたら、真の目標である「顧客の状態改善」から乖離してしまうだろう。

ESGは、それ自体が企業に取って重要であり、企業評価で大切なポイントだが、運用会社が投資先に対して働きかける仕事ではない。運用業界としては、ビジネスの手詰まり感から、新たに育てたいと思っている分野であるようだが、運用会社は真面目且つ効率的に運用を行えばいいのであって、余計な手間を掛けることを新手の商売にしようとしない方が「顧客本位」だ。

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