リコー、「GAFAと戦わない」コロナ後戦略の成否

オフィスのプリント需要消失でも強気な訳

――「アフターコロナ」の世界ではプリント需要がなくなることにどう対応しますか。

2021年3月期は危機対応と変革加速の年と位置づけている。良い印刷ができる機械を製造して世界に売ってきたが、それだけではなく、デジタルサービスの提供というビジネスモデルに変えていかなければいけない。

やました・よしのり/1957年生まれ、兵庫県出身。1980年に広島大学工学部卒業、同年リコー入社。2011年総合経営企画室長。ビジネスソリューションズ事業本部長、副社長などを経て、2017年4月より現職(撮影:今井康一)

これまでもペーパーレスの流れはあり、プリンティングだけではなくオフィスのITサービスも手がけてきた。コロナによって今後3年間に起きると想定していた変化が3カ月間のうちに起きており、ITを支援するデジタルサービス会社への変貌を急がなければならない。

これまでデジタルサービスを不要としていた顧客の中には、リモートワークのために急にデジタルサービスを必要とするところも出てきた。コロナが顧客の思考を変える後押しをしている面がある。

GAFAとは戦わない

――リコーにとってのデジタルサービスはどんなイメージなのですか。

社内でも「GAFAと戦うのか」と聞かれるが、そういうわけではない。GAFAは世界のプラットフォーマーだが、われわれは中小企業に寄り添うことを目指している。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

マイクロソフトのオフィス365やセキュリティーソフトなど、業務に必要なソフトウェアやアプリケーションをリコー経由で導入してもらい、中小企業のデジタル化を支援している。

2019年は「つなぐ」をキーワードに、中小企業のオフィスと製造や営業などのやりとりをサポートした。今度はそこにホーム(自宅)をつなぐ必要も出てきた。これまでプリントして紙でやりとりしていた情報がデータでのやりとりに変わる。そのやりとりをリコーがデジタルサービスとして提供していく。

2020年3月期は、国内販社のリコージャパンが過去最高益となった。ITなどのオフィスサービスが牽引し、オフィスプリントの売上高を初めて抜いた。デジタルサービス会社に変貌する自信にもなった。

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