五輪ゴルフで大金星、気炎を吐くデサント ミズノやダンロップに公式ウエアで競り勝つ

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世界的に人気のあるゴルフ競技向けにデサントのウエアを展開できれば、冬季のみならず、夏季にも欧米市場で販売できる商材を持つことになる。今回、デサントがJGAに供給するのもデサントブランドだ。

ゴルフ統括部ゴルフマーケティング2部の武市一部長は、「2015年春夏シーズンに、まず日本と韓国で展開をスタート。2016年以降にアジア各国へ拡大し、2020年には欧米でも展開する」と、世界戦略をブチ上げる。

ウエアだけでは成長に限界

自前ブランド投入で上積みを狙う、デサントの石本社長

国内ゴルフウエア市場は1000億円程度。このうち、デサントの国内ゴルフウエア売上高は2012年度で190億円。これを発射台として「デサントブランド投入により、40億~50億円を上乗せ」(石本社長)できたとすると、250億円規模まで膨れ上がる。

ただし、ここからもう一段の成長となると、そう簡単ではない。何しろ、デサントは一部の競技向けにシューズを手掛けるくらいで、ウエアが売り上げのほとんどを占めている。さすがに、ウエアだけでゴルフ分野のさらなる収益拡大を求めるのは限界がある。

となると、ゴルフ事業の成長のカギを握るのは、ウエア以外への展開だろう。石本社長は「ゴルフは当面、ウエアのみ。シューズもゴルフクラブも考えていない」と断言する。ただ、シューズについては、デサントは韓国や香港でアスレチック向けを展開しているほか、英国の新興シューズメーカーと組んでトレイルランニング(山岳地帯などオフロードを走行するスポーツ)向けシューズを展開するなど、ゴルフ以外の競技ではノウハウを蓄積しつつある。

ゴルフクラブやシューズ、バッグなども含めたゴルフ用品全体だと、国内市場は3000億円前後の規模がある。野球やサッカー用品市場を数倍以上も上回るゴルフ用品市場をどこまで深耕できるかが、デサントの今後の成長にも影響してきそうだ。

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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