アメリカの警察「スタンガン」重用への疑問符 テーザー銃の死亡例多く犠牲者は黒人に偏る

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保安官代理らはうつ伏せに倒れたマーティンさんを囲み、体重をかけて押さえつけ、マーティンさんに対してテーザー銃を15回作動させた。マーティンさんが苦痛に満ちた声で「殺される」と叫んでいるのが聞き取れる。検視報告書によれば、彼は拘束中に不整脈が原因で死亡した。

マーティンさんの遺族の弁護士を務めるマウリ・デイビス氏は、「彼は『ウォーキング・ホワイル・ブラック』に描かれる状況の犠牲者だ」と語る。保安官代理らは告発された後に解雇されたが、テーザー銃使用の訓練に沿って行動したと述べている。

昨年11月、マーティンさんの死をめぐる殺人容疑の裁判が始まる数週間前、裁判官は保安官代理3人(すべて白人)に対し刑事免責を認めた。

スタンガンの繰り返し、継続使用は死亡リスク増大

アクソンは各警察に配布したガイドラインのなかで、同時に複数のテーザー銃を使わないよう警告している。法執行の専門家によれば、スタンガンを繰り返し作動させる、また継続して使うことは死亡リスクを増大させるので避けるべきという。

ワシントン郡保安官事務所に複数回にわたりコメントを求めたが回答は得られなかった。

裁判官は、保安官代理らの行為は正当防衛であり、テーザー銃の使用は「正当」であり「当該の状況のもとでは合理的」だったと判断した。裁判官はジョージア州の「スタンド・ユア・グラウンド(正当防衛)法」を引用しつつ、あらゆる人は「死または深刻な負傷」から身を守るために合理的な範囲で実力行使する権利を有する、としている。

地方検事はこの判決に対して控訴し、8月に州最高裁で審理が行われる予定になっている。州最高裁が下級審の判決を覆せば、保安官代理らに対する殺人容疑での裁判が復活する。

マーティンさんの姉であるヘレン・ギルバートさんは、「彼はジョージアの太陽に照りつけられて、水を求めたせいで命を落とした」と言う。「常識のある人なら、彼が死に値するようなことを何もしていないことが分かるだろう。正義を求める長い歩みが終わるまで、安らぎは得られない」

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