ライザップ、2期赤字でも「瀬戸社長続投」のなぜ 株主に語りたがらない59億円損失の詳細
「赤字は絶対にありえないという自信と確信を持っている。(2020年3月期が)黒字にならなかったらこの場にはいない」
2019年6月の株主総会。RIZAPグループ(ライザップ)の瀬戸健社長は、会場に集まった約3000人の株主を前にそう宣言した。だが、ライザップの黒字化を果たせず、瀬戸社長は「結果にコミットする」ことができなかった。
赤字の主因は減損や在庫評価損
6月10日に発表されたライザップの2020年3月期決算は60億円の最終赤字となった。発表前日に下方修正するまでは期初に公表した最終黒字5億円という見通しを崩していなかった。
これで最終赤字は2期連続となる。2019年3月期は、M&A攻勢の行き詰まりが露呈し、子会社の店舗閉鎖や商品在庫評価減などを中心とした構造改革費用93億円を計上。194億円の最終赤字に転落した。それより損失額が減ったとはいえ、小さくはない赤字幅だ。
2020年3月期が赤字となった大きな原因は、期末に計上した計59億円の損失にある。4月以降の新型コロナウイルス対策の影響で事業見通しが悪化したことに伴い、①店舗を中心とした固定資産等の減損、②商品在庫の評価減、③その他一過性の損失の3つを計上した。
ライザップによると、59億円の内訳は①の店舗減損がいちばん大きく、アパレル子会社などを含めたグループの持つ店舗全般が減損の対象になったという。ただ詳細については「非開示」として明らかにしていない。
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