193億円赤字のライザップ、「結果」を出せるか 買収戦略の軌道修正を取引先銀行も注視
「出すべき膿は今回出した」
物腰は柔らかいが、力強い口調。そして、「僕も株主の1人。誠実な対応とは何かを深く考え、先延ばしすることなく手当てをした。出し切った分だけ(今後の業績回復に対する)自信はある」と付け加えた。
RIZAPグループ(以下、ライザップ)の瀬戸健社長はいつもの調子を取り戻していた。
経営不振企業の買収で規模を拡大
ライザップは5月15日、2019年3月期の決算(国際会計基準)を発表した。最終利益は193億円の赤字に転落。90億円の最終黒字だった2018年3月期とはうってかわっての大赤字だ。
同社は2012年に開始したボディメイクジム事業で大ブレーク。同時に割安な価格で買える経営不振企業を矢継ぎ早に買収し、規模拡大の糧としてきた。上場企業では、2017年にカジュアル専門店のジーンズメイト、2018年には音楽・映像ソフト販売の「新星堂」を展開するワンダーコーポレーションなどを子会社化してきた。業績は倍々ゲームの勢いで伸びてきたが、それが一気に転落した格好だ。
ところが、決算発表の翌日に東洋経済の取材に応じた瀬戸社長は、業績のV字回復に向けた準備は整ったと自信をのぞかせた。自信の根拠とするのが「膿出し」だ。
まず買収一辺倒だった戦略を転換し、業績悪化の続くグループ会社の売却に踏み切った。その1社がシャンプーなど化粧品を販売するジャパンゲートウェイ。短期的な利益改善は難しいと経営再建を諦め、2017年12月の買収から約1年で手放すことにした。今年1月に売却し、7.7億円の売却損を計上した。
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