「iPhoneアプリ」でどれだけのお金が動いたのか 「日本のスマホ市場」に残された成長余力とは
EC化率向上を掲げてきたユニクロも、充実した店舗展開もあって2019年は11%程度にすぎなかった。しかし、コロナの影響による社会の変化への対応が必要な中で、30%程度にまで引き上げることを目標としている。
新型コロナウイルスによる消費動向の影響は、まだ業界全体で見極められているわけではない。しかし、外出自粛の影響により「洋服を通販で購入する」というスタイルに消費者が慣れてきたことは間違いなく、EC化率は「高めなければならない」課題で、そこにはスマートフォンアプリによる解決が不可欠となる。
これはほかの商材にもいえることだ。
中国で1750億ドル、アメリカで440億ドル、欧州が220億ドルというアプリを通じた小売り市場の中で、日本の140億ドルという数字は“伸びしろ”を示している。
アプリ内広告へのシフトも加速
日本での売り上げがとりわけ小さいジャンルはもう1つある。それは「アプリ内広告」だ。インターネットを通じた広告は、当初はパソコン向けのウェブサイトで拡大し、その後、消費者が使う端末の変化に応じてモバイル広告へとシフトしていったが、主力がウェブ広告であることに変わりはない。
しかしユーザーはブラウザーではなく、専用アプリでさまざまなコンテンツを楽しむようになっている。こうしたことから今後、広告への投資はモバイル向けのウェブ広告からアプリ内広告へと主流が移り変わっていくのではないかと予想されている。
顕著な例はアメリカだ。2019年、アップルのプラットフォームでは450億ドルがアプリ内広告に投資された。そのうちの230億円はアメリカだ。ところが日本のアプリ内広告市場は20億ドルでしかない。
アメリカにおけるアプリ内広告市場が大きいのは、「プログラマティック広告」と呼ばれるインターネット広告が普及しているからだ。プログラマティック広告とは、条件を指定することで広告枠を自動的に買い付ける仕組みで、日本ではまだあまり使われていない。
アプリ内広告の場合、無数のアプリが存在する中で、どんなアプリにどのような広告を表示するかは難しい問題だ。アプリの属性や利用者とのエンゲージメントの変化に応じて、柔軟に広告枠を自動買い付けして表示する仕組みとの組み合わせが重視される。
一方で、このジャンルの広告の少なさは、市場が大きくなる成長余力が、この先にあることを示している。
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