「iPhoneアプリ」でどれだけのお金が動いたのか 「日本のスマホ市場」に残された成長余力とは
調査分析を得意とするアメリカ・ボストンのコンサルタント企業・Analysis Groupが6月15日、アップルからの依頼で調査していた“アプリ経済圏”のレポートを発表した。報告によるとApp Storeを通じて流通する無料・有料アプリを通じた経済活動は5190億ドル(約55兆7728億円)に達する。
なおこれはApp Store(iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVを含む)を通じて発生した売り上げだけではなく、「App Storeで配布されたアプリを通じて生まれたさまざまな経済活動」についてのレポートだ。
Netlixの加入料金なども含まれる
例えばNetflixやAmazon Primeビデオなどの加入型映像配信サービスの加入料金、買い物アプリを通じてECサイトで購入した代金なども算入されている。またアプリ内課金などはもちろん、アプリ上で表示される「アプリ内広告」に関しても、この統計には含まれている。
かつて2016年に調査会社のApp Annieがアプリが生み出すグローバルでの経済成長についての概算、2018年にはDeloitte Touche Tohmatsu(DTT)がアメリカ市場における経済規模について推定値をレポートしたことがあったが、グローバルで多岐にわたる調査が行われたのは今回が初めてのことだ。
DTTによると2018年、アメリカにおけるアプリ経済の規模は3400億ドル。グローバルでの計測値であることを考えれば、十分に納得できると数字ではあるが、Analysis Groupの調査担当者によると「枝葉に分かれた経済活動の多くは算入しておらず、数字はかなり控えめだ」と話す。
レポートは誰もがアップルのサイトで読めるが、ここから読み取れるのは、アプリの直接の売り上げ以上に、日常的な消費の中でアプリが生み出している市場価値が予想以上に大きいことだ。
App Storeでの直接の売り上げは1550億ドルだったが、調査では“それ以外”の経済効果のほうが大きいことを示している。アップルはApp Storeの手数料を30%に設定しているが、大多数の経済効果はそれぞれのアプリオーナーに直接もたらされていることになる。
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